私の両親は、子離れに失敗したといえます。
実家を飛び出した私を、親はいつまでも追いすがりました。
大人になった私は、父親や母親にしがみつかれたのです。
子離れしてくれない親のせいで、とても苦しんだ私は、親への憤りをつのらせました。
親にがんじがらめにされることで「真綿に首が締め付けられるような苦しみ」を味わったからです。
「自由に生きたい」という人間の本源的欲求を親から抑圧された私は、親への怒りが止まらなくなりました。親への憤怒がどうしようもなく高まったのです。
「なんで、いつまでも親にコントロールされなきゃいけないんだ?」という思いが親への怒りに火をつけました。
両親と私との関係は最悪なものになり、家族関係はおかしくなったのです。「親が子離れしてくれない問題」は、家族に暗い影を落とすといえるのです。
子離れができない親の特徴ー「見捨てられ不安」
子どもが実家から巣立つとき、一抹のさみしさを親は感じるものです。
「空きの巣症候群」という言葉があるように「子どもが巣立った後、さみしさにくれる親」というのは少なくありません。
けれど、たとえ寂しさを感じても、子育てを卒業した後の人生を謳歌している。そんな楽しく過ごしている親の方が娘・息子は安心できるのです。「元気にやっているんだな」といった具合にです。
しかし困ったことに、実家を出た娘・息子を、いつまでも追いすがる親がいます。
社会人の娘に、毎日のように電話をかける親がいます。
突然、息子の家に押しかけて、冷蔵庫の整理をする親がいます。
そんな親御さんに詳しく話を聴くと、「私は、子どもに見捨てられた感じがするのです」というのです。
つまり、子離れできない親の特徴として「見捨てられ不安」があるのです。
実家を出ていく娘・息子に対して「私は子どもに見捨てられた」といった具合に強い不安感にさいなまれる親がいるのです。
たとえば子どもが出て行った空き部屋を眺めながら、「私は、これからどうすればいいの?」と不安になる。
あるいは「娘は、私を置いて出ていくんだ。そして幸せになるんだ」と、心細くなる親もいます。
そうした「私は、子どもに見捨てられた」という不安感を感じたくない親は、その不安感を払いのけるために、娘・息子をコントロールする場合があります。つまり娘・息子にいつまでも関わることで、不安を感じないようにするのです。
しかも「親という立場」を押し付けることでコントロールするのです。
「私は親なんだよ」「あなたのために言ってるんだよ」「親が、あなたを心配するのは当然だよ」
・・・といった具合に、子離れできない親は「親という立場」をふりかざすことで、娘や息子を支配するのです。そして子どもにしがみつくのです。
親にしがみつかれる娘・息子は、コントロールされるがゆえに苦しみます。
けれど、そんな親に対処のやり方を間違えると、さらにコントロールは強くなるので注意してください。
対処の仕方を間違えると逆効果になる
子離れしてくれない親に対して、対処の仕方を間違えると逆効果になります。
たとえば「お母さん! もう電話してこないで!」と、親に伝えたとしましょう。
しかし、その悲痛な叫びは、残念ながら親に届きません。
「なによ! 親に向かってそんな口をたたくもんじゃない!」「私はあなたの親なのよ! 心配したから電話しただけじゃない!」と反発されるのが現実なのです。
親という立場を利用しながら、いつまでも大人になった娘・息子を子ども扱いするのが「子離れできない親」の姿です。
ですから「もう、これ以上、関わらないで!」と親に伝えても効果はないのです。
「親に向かってなによ!」と、むしろ逆効果なのです。それだけ親は子どもにしがみつくのに懸命なのです。
確かに子どもが歳を取っても、親は親です。子は親の子です。しかし「親」と「親業」はまったく別物です。
「親業」とは、子育てのことです。
子どもが大人になっても「親業」=子育てをしたがるならば、子離れできない親だといえるでしょう。
子離れしない親のせいで苦しむ娘・息子たち
以下のエピソードは、私のカウンセリングを受けられた複数の相談者さんの事例をミックスしたものです。
Yさんは30歳代の女性です。実家を離れて、ひとり暮らしをしています。
ひとり暮らしをして自分の時間を楽しみたいのです。しかし親は勝手に家にあがりこむようになったのです。
大家さんから鍵を借りて、娘の家に入り込んだ母親が、冷蔵庫を開けて食べ物を入れ替えるのです。
さらには母親から、毎日のように電話がかかってくるのです。Yさんが出るまで、母親は電話をかけ続けます。
「しかたがないな」とYさんは思いながら、たまには電話に出てあげて、「もう、しばらくは、かけてこないだろう」と思いきや、次の日も電話が掛かってくるのです。
「どうしたの?」と聞くと、「声が聴きたい」と母親は言うのです。
親との距離を取るために、Yさんは母親からの電話は取らないと決めました。
そしたら今度は、職場に電話を掛けてきたのです。
「もう、いい加減にしてよ」と思いあまって伝えると、「親だから、いいじゃないの」と母親は言うのです。
「親が子どもを心配するのは当然でしょ? 電話に出ないから心配したわよ」と、けろっとした口調で母親はいうのでした。
スマホの着信履歴を見るたびに、Yさんは憂鬱になりました。全部、親からの着信だからです。
もう、ここまでくると親の行為は一線を越えています。
お子さんが「もう、電話をかけないで欲しい」と伝えているのに、親が毎日のように電話やメールをしてしまうのは、度が過ぎています。
このように、いつまでも親にしがみつかれて、苦しい思いをしている娘や息子は少なくありません。
ある男性Kさんの場合、実家から離れた場所で新婚生活をしていたのですが、毎日のように母親から電話がかかってくるようになりました。
「自動車保険に入りたいけど、どこがいいかしら」「家の屋根を修理したいんだけど、どうしたらいいの?」と、用事を「わざわざ」作っては母親は息子に連絡を続けたのです。息子との関係を維持したいからです。
そのような用事は、主人や友人に聞けばいいのです。しかし、どうしても息子さんにかまってもらいたいので、用事をわざわざ作っては息子に電話をするのでした。
子離れできない「機能不全家族」の親たち
機能不全家族って、ご存知ですか?
機能不全家族の特徴とは、こういったものです。
- 親による子どもの養育が十分にされていない
- 両親が不仲である
- 親子関係が逆転している
- 家庭内に暴力・暴言・虐待がある
- 家庭にやすらぎや、安心感がない
- アルコール依存症・ギャンブル依存症など、親が何らかの問題をかかえている
以上のような特徴をもっているのが機能不全家族なのです。
こうした機能不全家族では、暗黙のルールが存在しています。
そのうちのひとつが「家を出るな」というルールです。
機能不全家族の親というのはたいていの場合、子どもが実家を出ていくのをひどく嫌います。
なぜなら子どもが家から出て行かれると、親同士が向き合うことになるからです。
機能不全家族における両親の関係はひどく険悪なものです。だから妻は旦那にできるだけ向き合いたくはない。旦那は、子どもを通じて妻の様子をさぐったりします。
旦那も妻も、おたがいが避け合って生活をしているのですが、そこで子どもが実家を出ていくと、どうなるでしょう?
両親は、嫌でも向き合わざるをえません。だから親たちは、子どもの巣立ちを極端に嫌がるのです。
よって機能不全家族では「家を出るな」という暗黙のルールがあるのです。
たとえ頑張って実家を出たとしても、親は執拗に追いかけてきます。実際、機能不全家族の親に子離れできない人は多いのです。
さらに機能不全家族の特徴に「親子関係の逆転」というのがあります。
子どもが親のお世話をしたり、なぐさめたりする役割を担っているとしたら、それは親子関係が逆転していると言えるでしょう。
親と子の関係が逆転していると、どうなるでしょう? 親は、いつまでも子どもに依存するでしょう。子どもに面倒をみてもらいたいので、必死になって娘・息子にしがみつきます。
ですから親子関係が逆転している家族では、子離れなんて考えられないのです。
このように機能不全家族の親というのは、子離れをしてくれません。実家を出ることができても、地の果てまで追いかけるのが機能不全家族の親なのです。
私のところに相談に来られたある女性の方は、暴力をふるう母親から逃げたくて渡米しました。そして現地の企業に就職したのです。
けれど娘が勤務しているアメリカの職場に、毎日のように母親は電話をかけ続けたのです。
では、そのような「子離れしてくれない親」に対して、どんな対処をすればいいのでしょうか。
次の章で、その方法をお伝えします。
効果的な対処法を選択しましょう
あなたが自分の生き方を貫きたいなら、親に支配されていては実現できません。
親からのコントロールがあれば、思い通りに生きることはできません。
では、どうすればいいのか? つまり子離れしてくれない親への対処法について、冷静になって考えてみましょう。
冷静にならずに「もう、お母さん! いい加減にしてよ!」と感情をぶつけても、かえって逆効果だからです。親と議論したり言い争うのは禁物です。
なぜだかわかりますか?
親は、あなたのことを知り尽くしているからです。
親は、あなたが小さい頃から知っているのです。
親は、あなたの専門家なのです。
あなたに言うことを聞かせることは、親にとって簡単なことなのです。
よって親を言い負かしたり、議論をふっかけても、必ず負けます。
なので親と議論したり、言い争うのは絶対に避けましょう。そうではなくて親への効果的な対処法・戦略を選択しましょう。
*親を黙らせたい
*親の支配から抜け出したい
*しんどくて重たい親との関係をなんとかしたい
あなたが、このように思い悩んでいるのでしたら、私が力になります。
親の支配から抜け出して、自分の生き方を実現するための戦略を、私と一緒になって練りませんか?
私自身、親にがんじがらめにされ、コントロールされました。
それでも私は自分の生き方を貫いてきました。
あなたが子離れしてくれない親に悩んでいて、
*母親から自由になりたい
*しんどくて重たい母親にうんざりしている
*子離れしてくれない母親のせいで結婚できない
このような悩みに苦しんでいたら、私はあなたの味方になります。
親から自由になって、親に気兼ねなく生きるための戦略を、私はあなたと一緒に考えます。
自分ひとりで悶々と親のことで悩むのはつらいものです。
ですから、我慢しないで私にご相談ください。
ご相談ご希望の方は、下のオレンジのボタンを押されて「子離れしてくれない親の悩み」ご相談フォームにお進みください。
米国催眠士協会(NGH)認定ヒプノセラピスト
わたなべいさお