幼少期の体験とその影響
私は機能不全家族を生き抜いた当事者です。幼少の頃から、暴力・暴言を浴びながら生きてきました。
窒息しそうな実家暮らし。おかげで私は心身症を長く患うことになるのです。
決断 — 実家を出る
「このままでは親に人生を奪われる」
私は思い切って実家を飛び出しました。
実家を出ても続く支配
実家を出て親から離れると幸せになれる・・・そうはいかないのが機能不全家族です。
私の親たちは、実家を出た私を執拗に監視したからです。
毎日、電話をしてきました。大家から鍵を借りて勝手に家にあがりこみました。
どこまでも私の人生に干渉してくる両親。
私は個人として生きることが許されなかったのです。
介護という極限の重圧
極めつけが両親の介護でした。ひとり息子の私は、ふたりの親の面倒をみなければなりません。これは塗炭の苦しみを私にもたらしました。
煮えたぎった「家族の宿痾」を飲まされてきた。これが私の実感です。
生きづらさの顕在化
おかげで私はアダルトチルドレンの生きづらさに苦しみました。
長らく仕事も恋愛も上手くいきませんでした。
自己卑下が強くて、自信もありませんでした。
わけもなく寂しくて、漠然とした不安感に悩みました。
いつも同じような躓きを繰り返しました。
頑張っても報われませんでした。
生きることが味気なくて、いつも落胆していました。
そんな「生きづらさ」の原因が親子関係にあることに気づいたのは30歳代を過ぎてからでした。
回復のために試したこと
生きづらさを解消するために私は、いろんな努力を重ねてきました。
本を読みました。アダルトチルドレン専門のカウンセリングや講座に通い詰めました。
スピリチュアルにもふれました。潜在意識の書き換えもしました。
しかし、まったく生きづらさは解消しなかったのです。
むしろ無駄な苦労をする。裏切られる。軽く扱われる。他人に支配される。
傷心することが続いたのです。
なぜ多くのアドバイスは効かなかったのか
では、どうして生きづらさは解消しなかったのでしょう。
それには、理由があります。
悩んでいる私は、いろんなアドバイスを受けてきました。
しかし、そのアドバイスは役に立たなかったのです。
アドバイスは大雑把である
「アドバイス」とはたいてい、大雑把なものです。
ひるがえって私たちの悩みは複雑だし、個別具体的なものです。
よって、いろんな所でアドバイスを受けてきたものの、「ピンとこないな」で終わるのでした。
サバイバーごとに違う物語
機能不全家族は、サバイバーにとって意味が異なります。
サバイバーの数だけ「生きづらさ」があります。
親子関係のストーリーは、ひとりひとり違うはずです。
よって「アドバイス」は役に立たないのです。
よくある自己啓発的アドバイスの落とし穴
そもそも「アドバイス」は役に立ちません。
たとえば「自信をつけましょう」といったアドバイスがあります。
あるいは「自己肯定感を高めましょう」と、いわれますよね。
しかし、こうしたものは極めて大雑把なものであり、一般的な言説だといえるでしょう。
家族の悩みは、家族によって違います。
なので、世間に広く出回っているアドバイスは、役に立たないのです。
「自分ひとりで何とかする」ことの限界
そしてまた、自信や自己肯定感を高めるには、自分ひとりでは難しい。
どうして、そういえるのでしょう。
機能不全家族を生き抜いた代償として、私たちはこんな気持ちをかかえてしまいがちです。
- 「私が悪いんだ」という想いが強い
- 過酷に自分のことを責めてしまう
- 自己否定感が強い
こうした想いがあるなかで、いくら「自信のある私」「自己肯定感が高い私」を目指しても、また元に戻ってしまうのではないでしょうか。
「頑張れば上手くいく」神話の危険性
そしてまた、「自信をつけよう」「自己肯定感が大事」といった考えの前提には、「あなたさえ頑張れば上手くいく」があります。
「家族関係」「親の支配」に縛られてきた私たちは、生きる意欲を奪われてきたのです。
もう疲れ切っている。
それなのに「自信があればいい。自己を肯定できればいい。そうだ、あなたさえ頑張れば上手くいくのよ!」と言われても、どう感じますか?
「私には、もう無理」と、感じてもおかしくありません。
回復への現実的な道筋
やはり自分ひとりで頑張るのは限界があるわけです。
幼いころから「しっかりしろ」「甘えるな」といわれて育てられたのが私たちではありませんか。
だから、どうしても「自分でなんとかしなければ」という想いが強いことでしょう。
しかし、自分の人生を切り開くには、孤独では成し遂げられないことを知っておいてください。
なんでもかんでも自分の意志だけでは限界があることを、まず認めましょう。
まとめ — 第一歩としての方針
ここまでを、まとめましょう。
「自信をつけよう」
「自己肯定感を高めよう」
―こうしたアドバイスは一般論であって、家族の悩みという個別具体的な事例には通用しない。
そして、自分ひとりで頑張ることを強いるものであり、私たちをさらに悩ます懸念がある。
ですから、そんなアドバイスをやってみる代わりに、あなたに合わせた回復の道筋を選ぶ。
これが、自分の人生を手に入れるための第一歩だと、当事者である私は考えます。
最初の一歩
「自信が持てない」と、落ち込む必要はありませんよ。
「なかなか自分を肯定できない」と、焦ることもありません。
あなたにはあなたなりの「道」があります。
それは、本を読んでも見つかりません。
立派な人を真似しても得られるものではありません。
世間の常識に答えはないでしょう。
自分が自分に向き合える安全な場所で、その「道」は見つかると思います。
私でよかったら、一緒に探しましょう。あなたなりの幸せを。
お問い合わせ
私はこちらのページにいます。
