
恋愛相談を受けていると、こんなことを私はよく思うのです。
女性たちは「優しくて安心できる人がいい」と言いながら、同時に、これらのことを恋愛相手に求めている。
・安定した職業
・高年収
・大手企業
・正社員
・学歴
・将来性
「この人は、安定しているのか?」を気にしながら、多くの女性たちはマッチングアプリで恋人を検索しているのです。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
でも、私はある「ねじれ」を感じるのです。
なぜなら私たちが生きている現代社会は、もうすでに「終身雇用」「年功序列」「男性が一家を支えるモデル」「右肩上がりの経済成長」が前提の社会ではないからです。
それなのに、恋愛や婚活になると、私たちは突然、「安定した相手を探さなければ」という考えに戻ってしまう。
それは、なぜなのでしょうか。
なぜ社会は変わったのに、恋愛だけが昔のままなのでしょうか?
社会の土台は変わった。なのに「経済的に安定した相手を探してしまう」のは、どうしてでしょうか? それは、人の「安心への欲求」は簡単には変わらないからです。
かつての日本では、「いい会社に入れば、一生安定」という人生モデルが存在していました。
「男性は働き、女性は家庭を守る」
「郊外に家を買い、家族を持ち、老後まで暮らしていく」
そうした人生モデルが、当たり前として共有されていた時代がありました。
そういう未来が、ある程度は現実的だった時代があったのです。
でも今は違います。
非正規雇用は増え、将来は不透明になり、大企業ですら安定とは言えなくなった。
つまり、社会そのものは、もう「右肩上がり」ではなくなっている。
それなのに恋愛になると、私たちは「安定した相手と結ばれれば安心できる」という感覚を未だに引きずっている。
それは、古い価値観にしがみついているというより「不安定な時代だからこそ、安心を求めている」とも言えるのです。
なぜ女性は「ハイスペック男性」を求めてしまうのでしょうか?
「マッチングアプリでハイスペック男性に出会いたい」
それは、贅沢だからではなく、不安が強いからそう願うのです。
時代が不安定になるほど、人は「新しい関係モデル」よりも、「昔うまくいっていた安全モデル」に戻ろうとします。
だから、「せめて結婚だけは失敗したくない」「せめて相手には安定していてほしい」という気持ちが強くなる。
その結果、「年収」「職業」「勤務先」「学歴」「将来性」などが、安心材料として重視されていく。
でもここには、大きな矛盾があります。
現実には、共働きが当たり前になり、男性ひとりの収入で家庭を支えるモデルは、すでに少数派になっているからです。
つまり私たちは、もうとっくに「共働き社会」を生きているのに、恋愛や婚活では「男性が家庭を支えるモデル」を前提にしてしまっている。
このねじれが、今の婚活市場の苦しさを生んでいるのかもしれません。
なぜマッチングアプリでは、条件ばかり見てしまうのでしょうか?
マッチングアプリでは、条件を絞り込むことで、恋人・結婚相手を探します。そうしたマッチングアプリの構造そのものが、「条件ばかり」を見てしまう恋活や婚活になってしまうのです。
本来、恋愛では、「一緒にいると安心する」「自然に話せる」「無理をしなくていい」といった感覚がとても大切です。
できる人だから、かわいいからではなくて、「私は私でいていいんだ」と感じられる関係の中で、人は安心できるのです。
そうなると、たとえば無理して頑張ることもなくなりますし、気を遣い続けなくていいですし、LINEの返信ひとつで不安になることもないでしょう。
でもマッチングアプリでは、出会う前から、
年収
学歴
職業
身長
住んでいる場所
などが一覧で表示される。
すると、相手を「人」として感じる前に、「条件」として見てしまいやすくなる。
不安が強い時ほど、人は「感覚」よりも、数字や肩書きを信じたくなるものです。
なぜなら、数字には確かさがあるように見えるからです。
でも、恋愛の安心感は、本来スペックだけでは生まれません。
なぜ「条件がいい相手」と結ばれても不安になるのでしょうか?
恋人と一緒にいることで「安心できる」「自然体でいられる」のは、「条件」ではなく、「関係性」の中で生まれるものだからです。
相手の方がどれだけ高年収でも、どれだけ安定企業でも「ほんとうに私のことを大切にしてくれているのだろうか」「私なんて他の誰かと置き換え可能ではないのか」と気にしてしまう関係ならば、安心することはできません。
逆に、完璧な条件ではなくても、「この人の前では、自分が自分でいられる」「私は私として受け止められている」そう感じられる関係はある。
恋愛不安が強い人ほど、「間違いのない相手を探さなければ」と思ってしまいます。
でも、本当に大切なのは、条件に安心することではなく、自分の感覚を失わないことなのかもしれません。つまり「あなたがあなたとしていられるか」なのです。
なぜマッチングアプリに疲れてしまうのでしょうか?
「マッチングアプリに疲れてしまいました」
恋愛相談をしていると、そう話される女性は少なくありません。
どうして疲れてしまうのでしょうか。
それは「自分の感覚」より、「失敗しないこと」を優先し続けるからです。
マッチングアプリを続けていると、「条件を見すぎるほど、誰を好きなのかわからなくなる」という状態になることがあります。
条件を見続けているうちに、
「誰が好きなのかわからない」
「みんな同じように見える」
「会ってもピンとこない」
そんな感覚になってしまうことがあります。
それは、「条件」ばかりを意識して、あなたの感覚が鈍くなっているサインかもしれません。
恋愛不安が強い時ほど、人は「間違えない相手」を探そうとする。
でも、恋愛というものは「条件の正解探し」だけでは測れないものです。
だからこそ、一度立ち止まって、問い直してみてほしいのです。
私は「安心できる条件」を探しているのか。
それとも「安心できる関係」を求めているのか。
この違いは、思っている以上に大きいのです。
恋愛不安が強い時ほど、私たちは「安心できる条件」を探そうとします。
でも、本当に安心できる関係とは、自分を失わなくていい関係なのかもしれません。
条件を見続けるうちに、
もしあなたが、
「誰を好きなのかわからない」
「誰を選べばいいかわからない」
「恋愛そのものが苦しい」
そう感じ始めているなら。
それは、あなたの感覚が間違っているのではなく、「安心を、条件だけで探し続けて疲れてしまった」ということなのかもしれません。
心理セラピスト
わたなべいさお


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