機能不全家族の悩みに応えるカウンセリングとは何か? についてお伝えいたします。
どうして、それについて考える必要があるのでしょう。
それはカウンセリングのやり方次第では「家族の悩み」が余計に深まるからです。
カウンセリングで悩みが深まるケース
カウンセリングを受けても悩みがかえって深くなることがあります。
どうしてでしょうか?
多くのカウンセリングやセラピーでは「悩みの原因」ばかりがクローズアップされます。
「こんな『思い込み』があるから、そのような行動をするのです」
「共依存だから、そんな考え方をするのですよ」
「過去のトラウマが、あなたの生きづらさの原因です」
といった具合に、悩みの原因は相談者の心の内面にあるといった分析を、カウンセラーがするのです。
このような分析をされると相談者は、どう感じるでしょうか?
「私には何か至らない点があるのだ」「私が悪いのだ」と、自己否定感を強くしてしまうのです。
なので、カウンセリングやセラピー、あるいはセミナーを受けることで、自己憐憫が強くなる人が多いのです。
自己憐憫とは、自分のことが「とてもかわいそう」に思えてしまうことです。
過去の記憶を思い出して、感情を口から吐き出すカウンセリングやセラピーにも注意です。
子ども時代の記憶を思い出すことで、「あんなことされた」「こんなこともあった」と悲しみや怒りが止まらなくなる方がとても多いのです。
過去の辛い出来事は無数にあります。
それらを思い出しては、感情を吐き出すのですが、きりがないのです。
まるで玉ねぎの皮を剥くように、どんどん感情が出てきて、憤怒や悲嘆の感情に押しつぶされてしまう。
よって、ずっと過去の記憶に囚われて将来に進むことが出来ない方は実に多いのです。
ことほどさように「変えることが出来ない過去の体験」に悩みの原因を求めて、
さらに「相談者の心の内面に問題を位置づける」といったカウンセリングでは、
相談者の自己憐憫や自己否定感は強くなるでしょう。
そして、よけいに怒りや悲しみが膨れあがり、解決が遠ざかるのです。
では、カウンセリングについて、どのように考えればいいのでしょうか?
機能不全家族の悩みに応えるカウンセリングとは?
深く思い悩んでいるとき、私たちは「悩み」「問題」に注意が固定しています。
注意が固定しているとは、のめり込んでいる状態のことです。
親のことで、すっと思い悩んでいるのであれば、「親の事にのめり込んでいる」状態が継続していると言えます。
「のめり込み」が続くと、人は自分を見失います。他のことを考えられなくなります。
頭の中は「親の事」「親への憎しみ」「親への怒り」で、いっぱいになります。
とても自分の未来について、考えられなくなります。
つまり自分を生きることが出来なくなるのです。
だからこそ、「親の事へのめり込み」を解くことが、カウンセリングの大切な役割なのです。
機能不全家族の悩みに応えるカウンセリングとは、悩める方の「のめり込み」「囚われ」を解いて、自分の意志を回復させることにあるのです。
親の事への「囚われ」「のめり込み」こそが、あなたに深い思い悩みをもたらすのですから。
親の事で悩むと自分を見失う
人間は、深く思い悩むと自分を見失うのです。自己を喪失するのです。
そして悩みとはたいてい、同じことばかりを見ているところから生じます。
親のことで深く思い悩むと、人は自分を見失うのです。
そればかりか、ずっと頭のには親がいます。なので、親への怒りや憎しみが止まらなくなります。
たとえ友人と遊んでいても、親の事が気になって仕方がない。
あの時の親の言葉が頭の中でリフレインする。
親との過去の出来事が、いつも繰り返し思い返される。
親がやるべきことを自分の問題として捉えてしまう。
家族の問題解決に、身を削ってまで奔走してしまう。
そうなれば、世界は親の事で染まってしまうでしょう。
そうして、人は自分が自分でなくなってしまうのです。
これを、どこかで止める必要があります。
私自身がそうであったように「親の事」がいつも頭から離れない、のめり込んでしまうならば、あなたはそこから切り離されることが必要です。
そして自分の意志を取り戻すのです。
本然の存在としての「あなた」へ還るのです。
そのための手助けがカウンセリングに求められる一番の役割であると、私は考えています。
カウンセリングで、親の悩みから解放されたい方は、次のページをお読みください。
心理セラピスト
わたなべいさお