悩みを解決することに、あなたはどんなイメージがありますか?
「自分を変える」
「悩みを作っている考え方や行動を変える」
こうしたイメージがあることでしょう。
しかしながら、「考え方」「行動」を変えることは、悩める人にすれば負担が大きいのです。
もっと言えば、考え方や行動を変えるのは難しいものです。
ましてや、見捨てられ不安といった「しつこくて、深い悩み」ほど、「考え方」「行動」を変えることに困難さを感じる人は少なくありません。
では、どうすればいいのでしょうか?
実は自分を変える必要もなければ、考え方を変える努力もいらないのです。
どうしてそう言えるのか? これから解説していきましょう。
見捨てられ不安を解消するのが難しく思える理由とは?
カウンセリングやセラピー、あるいは本に書かれている「悩み解決の手順」とは、どんなものでしょうか?
それは「悩み」を支えている「考え方」「行動」を変えるというものです。
「あなたの考え方や行動が「悩み」を作り出している。だから考え方や行動を適切なものに変える努力をしましょう」
といった具合に、考え方や行動を変えることで、悩みを解決する方法です。
しかしながら、この解決の方法は、上手くいかない場合があります。
「考え方」「行動」を変えるのは難しいからです。
また、見捨てられ不安を作っている「考え方」は、本人には分かりにくいのです。
つまり、「不安」の正体が本人にも気づきにくい。
見捨てられ不安を作る要因は、今までの成育歴に起源があります。
今まで蓄積されてきたものが、不安を呼び起こすからです。
ですから、見捨てられ不安を作っている「考え方」は、複雑で、とても根強いのです。
よって「不安」をもたらす「考え方」を変えるのは、難しいのです。
では、どうすれば見捨てられ不安は、解消できるのでしょうか?
見捨てられ不安を解消するとは、どういうことだろう?
「悩み」の解決をめぐって、こんな考えがありますよね? 「悩みが解決すれば、成りたい理想の私になれる」
それって本当でしょうか?「悩みが解決しないと、理想の私になれない」というのは、本当でしょうか?
いいえ。私はそうは考えていません。
まずは「本当の私」になる。そして「悩み」が解消していく……そのような逆のルートもあるのです。
どうして、そういえるのでしょう? 本当の私になることで、悩みは悩みでなくなるからです。
ですから、まずは本当の私になるのです。そうすれば見捨てられ不安のような複雑な感情を扱いやすくなるのです。
ひるがえって「あなたの考え方、行動のせいで、あなたは見捨てられ不安になっているのだ」という見立てでは、自分の考え方・行動のルールを変えなければいけない! となります。
でも、これが大変なのです。かえって悩みがこじれるからです。
「自分の考え方・行動がいけないんだ!」となれば、誰だって自分のことを悪く思ってしまいますよね。そうした自分自身を悪者にしながら見捨てられ不安という大きな悩みの解消に取り組めますか?
無理ですよね。なぜなら「私がいけないんだ」「だから悩むのだ」と思い込んでいたら、悩みを解決する意欲が湧かないからです。
「こんな私だから悩むんだ」「こんな考えをしているからダメなんだ」と思いながら、悩みに取り組むと上手くいきません。
つまり「私には問題がある。だから見捨てられ不安になるのだ」と見なしてしまうから、悩みがこじれてしまうのです。だからこそ、自分から問題を切り離すのです。
「見捨てられ不安」を自分から切り離すのです。そうすることで、あなたは本当の自分になることができます。
そうしてようやく、あなたは「見捨てられ不安」に取り組める心の余裕が得られるのです。
「なるほど・・・だから、見捨てられ不安が起きるのか」といった具合に、心に余裕を持つことで見捨てられ不安を手なずけることができます。
まとめますと、見捨てられ不安という「しつこくて深い悩み」ほど、まずは「見捨てられ不安」を自分から切り離して、本当の自分になってみることなのです。
まずは、本当の自分になることで、不安という「しつこくて深い悩み」と「私」との関係が変わる……ここが大切なのです。
見捨てられ不安の原因を分析しないでください
こんな指摘が、カウンセラーやセラピストからよく行われています。
「こんなマインドブロックがあるから、見捨てられ不安に悩むのです」
「心のブレーキがあるから、理想の恋愛ができないのです」
これらの言葉の含意に気づいてください。
つまり「あなたの考え方に問題があります」「あなたの中に問題があるのです」「あなたの考え方に原因があります」と言いたいわけです。
このような指摘を受けた相談者は、どう思うでしょう。
「私には問題があるのだ」「考え方を変えないといけない」
つまり「問題」を自分の中に見出してしまう。
そして、不安が解消されないと、どうなるでしょう。
「もう、どうすることもできない」と、自己否定感を強めてしまうのです。
自己否定感を強くすると、見捨てられ不安を解決できる心の余裕は得られません。
ですから見捨てられ不安の原因を分析するのは、良くないのです。
原因を分析するよりも、まずは「不安」を作り出す「問題」を切り離すことです。
「問題」から切り離された私を見つめることで、人は自分のことを力強く思えてきます。
こうして人は深い悩み――見捨てられ不安から立ち直れるのです。
あなたの見捨てられ不安を作り出す「問題」を見つけて、それをあなたから切り離すためには、どうすればいいか?
このことを詳しくお知りになりたい方は、こちらのページをお読みください。
心理セラピスト
わたなべいさお
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