「彼の気持ちが知りたい」
「この関係はうまくいくの?」
こうした不安に悩むたびに、占いを頼る人は少なくありません。
私自身、かつては恋愛占いに依存していました。
占い師さんと話している間は、心がスッと軽くなる。
「大丈夫、うまくいってますよ」と言われれば、安心できるから。
でも、その安心は長くは続かず、
しばらくすると「本当にうまくいくのか?」と不安が戻ってくる。
不安感をなんとかしたくて、また占いに頼ってしまう。占いの言葉で気持ち良くなるが、ふたたび不安な自分に戻ってしまう……。
そのような悪循環に、私は陥っていたのです。
「不安だから占いに行く。
気づけば占いがやめられなくなった」
そんな方からの「占い依存をやめたい」といったご相談は少なくありません。
そこで、占い依存をやめるための10のヒントをお伝えします。
最後に「不安を減らすシンプルな方法」をお伝えします。
恋愛占いから離れるための「10のヒント」
恋愛に不安はつきものですよね。
だから、つい「答え」が欲しくなる。
そして占いに頼る。あなたもそうかもしれませんね。
私自身、占いに依存してました。
占い師に会っている時は安心できるのです。しかし、占いの店から出ると、しだいに不安になるのです。
不安になるたびに占ってもらうのですが、まったく現状は変わらない。だから、また占ってもらう。そうして占いから抜け出せなくなったのです。
そんな私から「恋愛占い依存をやめたいあなたのための10の視点」をお伝えします。
「10の視点」とは以下の通りです。
- 占いの気持ちいい言葉に酔っていませんか?
- 占いで得た安心の賞味期限は短い
- 占いの言葉は「自分の言葉」ではない
- 決断の痛みを避けてませんか?
- どんなこともやり過ぎは良くない
- 不安を忘れようとすると、かえって不安は大きくなる
- 行動していますか?
- いつも「答え」を外部に求めていませんか?
- 耳ざわりの良い言葉ばかりを求めてませんか?
- 他人が決める「宿命」「運命」に従うと自分の人生を生きられない
では、いきましょう。
*忙しい方は緑色の枠だけでも目を通してください。
占いの気持ちいい言葉に酔っていませんか?
まずは、私の体験から話しましょう。
私はある人に片思いしていました。
占い師に相談すると「ふたりの相性はバッチリ。相思相愛です」と言われました。私の気持ちはワクワク。最高の気分になりました。
関係が進展しないたびに占いに通いました。そのたびに気持ち良くなり、片思いにのめり込んでいったのです。
けれど、ちっとも関係は進展せず、結局は片思いのままでした。
占いの言葉は気分をワクワクさせます。だけど、現実に戻ると落ち込んでしまう。
ワクワクと落胆の繰り返しで、私は貴重な時間を失いました。
今から思えば、現実を冷静に分析すればよかったのです。
現実を冷静に見つめれば「見込みはない」「思わせぶりな態度に惑わされてはいけない」と気づけたはず。
でも、占い師の「その人は、あなたのことが好きですよ」という言葉に酔った私は、判断を鈍らせてしまったのです。
占いがくれる“気持ちいい言葉”は、冷静さを奪うことがあります。
気持ちいい言葉でワクワクに浸れる一方で、現実に戻ったときの苦しみはかえって大きくなります。
だからこそ大切なのは、冷静に現実を検討すること。
あのときの私のように時間を失わないために、どうか一度立ち止まって、自分の目で確かめてみてください。
占いの言葉に酔って現実逃避してしまうと、依存を深めかねない。──このことを忘れないでください。
こんな言葉を、たくさんの顧客を集める占い師さんから聞かされたことがあります。
「お客さんに本当のことは言えないですよね。気持ちよくさせて帰ってもらわないといけないじゃないですか」
この言葉からわかるのは、「占いは一服の清涼剤」かもしれないということ。しかし、それに耽溺すると、やめられなくなるかもしれません。
占いで得た安心の賞味期限は短い
不安を抱えたとき、人は「答え」を欲しがります。
ましてや、恋に宙づり状態はつきものです。
「彼氏の本音がわからない」
「いつになれば結婚できるの?」
といった感じで、「どっちつかず」の不安定な状態になりがちなのが恋愛です。
宙づりにされたグラグラした感覚になると、誰だって不安になります。
そんな不安から逃れたくて、どこかに着地して安心したい。
だから固定点である「答え」が欲しくなるのです。
占い師は、「これが答えです」と答えます。しかも断定口調で伝えるのです。
すると相談者は、不安定な宙づり状態から解放されて、落ち着くことができます。
この落ち着き感=安心が欲しくて占いに頼ってしまうのです。
つまり、あなたが弱いのではなくて「安心したい」という自然な働きが占い師の元に走らせるのかもしれません。
しかし、占いで得られる安心の賞味期限は短いものです。だから、またすぐに占いに通うのです。
占いの言葉は「自分の言葉」ではない
占いの言葉による希望は、一時的な光なのかもしれません。
時間が経つにつれ、また不安になるのは「一時的な安心」なのでしょう。
その安心とは、気持ちよくさせてくれる言葉によってできています。
こんな具合に、占いの言葉はたいてい、気持ちいいものです。
「上手くいってますよ」
「彼氏は戻ってきますよ」
「愛されてますよ」
このように断定的に伝えられると、「安心していいんだ」と感じるのは無理もありません。
けれど、占いの言葉は「他人による」ものであり、それゆえに賞味期限は短いのです。
自分自身が試行錯誤をした末にたどりついた「答え」ならば、それは自分にとっての役立つ教訓になります。
しかし他人の言葉は、そうではありません。
他人から言われた言葉は脆いものです。
恋人から「キミと結婚を考えている」と言われても、「そうなの?」と信じることができない。そんな経験はありませんか?
それと同じく、占いの言葉が時間の経過とともに色あせていくのは自然でしょう。
恋人の言葉。
占いの言葉。
それらに対して「ほんとに大丈夫なのか?」と疑問符がつくのは、あなたが納得していないから。
納得できないのは、他人の言葉だからです。
占いで安心しても、すぐ不安になるのは、そうした理由があるからでしょう。
決断の痛みを避けてませんか?
決断はエネルギーを使うもの。
そして、責任がともないます。
だからこそ「誰かに委ねたい」と思うのは自然なことです。
その裏には「自分が出した答えに自信がない」という想いもあるかもしれません。
先が見通せないがゆえに「決められない」のかもしれません。
そこへ「自分自身の世界を読み解いてくれる」占いが登場して、繰り返し「未知の世界」を読み解かれたら……どうなるでしょう。
悩みが深いほど、それに委ねてしまうのも無理はないかと思います。
たとえ占いの読みが外れても、ふたたび占いに依存してしまう。つまり「決めて欲しい」と願うでしょう。
それだけ、私たちは「自分で決める」よりも決めてもらう方を選びたくなるのです。
誰かに決めてもらう方が楽に感じられる。しかし、それは自分の人生といえるでしょうか?
どんなこともやり過ぎは良くない
私たちは、何かを支えにしないと生きていけません。
何かに依存しないで生きられるほど、人間は強くないからです。
恋愛・仕事・食べ物・ショッピング……私たちは、何かに依存して生きています。
依存するのは悪ことではありません。
しかし、なにかに依存することによって「日常生活に支障が起きる」となると話は別です。
日常生活に支障がでる依存は問題といえます。
たとえば占いへの支払いのせいで「預貯金を使い果たした」「借金を作ってしまった」ならば、それは問題です。
「占いをやめたいのに、やめられない」「占いの言葉に従うことで、人生がおかしくなった」ならば、それは問題だといえるでしょう。
「占いをやめたら、自分は生きられるのか?」と、そう考えているならば、大切なことに気づくべきでしょう。
「私は、自分を生きているといえるのだろうか?」と。
なにごともやり過ぎは禁物。
依存し過ぎると、自分を見失う状態になります。
占いをやめられず困っているならば、それは自分を見失っていると、言えます。
けれど、占いで自分を取り戻すのは難しいかと思います。
なぜなら「自分で決める」のではなくて、「他人に決めてもらう」のが占いだからです。
不安を忘れようとすると、かえって不安は大きくなる
不安を消そうとすると、不安はかえって大きくなるものです。
「大丈夫ですよ」と励まされた。そして安堵できた。不安は消えたかのように感じられる。しかし、時間が経つと不安が姿を見せ始める。
それは、不安を消そうとしたからです。
不安を消そうとする代わりに、ちょっとしたことでもいいので行動を起こすことをおすすめします。
「大丈夫だよ。今度こそ上手くいくよ」と誰かに励まされた。「よし、次こそ上手くやろう」と試行錯誤をしてみる。
そうした試行錯誤をくりかえすことで、「不安があっても、なんとかなる」と思えてくるのです。
つまり「行動してみる」「やってみる」という試行錯誤をくりかえすことに「不安にのまれないための秘訣」があるのです。
けれど、ただ不安を忘れたいだけでは、なにも変わらないのかもしれません。
占い師に悩みを話している間だけ安心できるならば、占いにハマることになるでしょう。不安にのまれるたびに、占いに頼ることになるからです。
占いで安心できても、試行錯誤がなければ「不安を作っている現状」は維持されるでしょう。
占いという一服の清涼剤に頼る代わりに、今までとは違う小さな行動によって、不安のサイズは小さくなるかもしれません。
行動していますか?
「占いに行きたい」という衝動があるのでしたら、それはあなたが「安心したい」と思っているサインです。
立ち止まって深呼吸したり、紙に気持ちを書き出すだけでも、衝動の波は静まるかもしれません。
「深呼吸する」「紙に書き出す」というのは、行動ですよね。この行動を起こすというのが、状況を変えるのです。
けれど、「恋愛占いで安心できた」というのは、単に「ある状態」から「別の状態」に移行しただけのことです。そこには、あなたの行動を促す力はありません。
恋愛占いとは「不安」→「安心」という一時的な心の状態の変化にすぎず、ほとんどの場合、行動喚起は伴わないのです。
それでも、占いで安心できたあとに、自分で行動できれば問題はありません。
しかし占いの後、何もしなければ、悩みは解消されないでしょう。結局「占いに依存したい」という気持ちが強まるだけです。
ふたりの関係から考えると、「恋人と話し合い」をする必要があるとしましょう。しかし占いの後、恋人と向き合うことをしないならば、関係は変わらないでしょう。
ちょっとした行動をしていく。そして、状況に違いを作っていく。
誰かに悩みを聞いてもらった。そして、楽になった。気持ちに落ち着きを取り戻すことで状況を変える行動を起こしていく。こうした行動につながるプロセスが大切なのです。
いつも「答え」を外部に求めていませんか?
「答えは自分の心にある」よく耳にするフレーズです。
けれど「自分を信じられない」「私は自分の決断を信じられない」ならば、それには理由があります。
今までの経験が、慎重さを育ててきたのかもしれません。
それは決してダメなことではなく、あなたの大切な一部です。
「慎重さ」「心配してしまう」というのは、今までのあなたを守ってくれた「大切な友達」かもしれません。
それは、ちょっとお節介な心配性なお友達かもしれません。
だからこそ、それを抑え込んだりすると、それはあなたにこう言うでしょう。「私のことを忘れないでね!」と。
占いで「あなたの物語」を編集することはできるでしょう。
しかし、それは唯一無二の物語ではありません。
人は、いろんな複数の物語を生きることができるのですから。
答えは自分の心にあることを信じる必要はありません。
けれど、いつかは気づいてあげたい大切なことが「あなたのなか」にあるかもしれないのです。
「私の人生は四柱推命や紫微斗数の命盤に書かれている」
「霊視のなかに、本当の私が見つかる」
そうしたことを信じていると、占いをやめられなくなるでしょう。
やはり「答え」を外部に求めているうちは、「やめられない」といえます。
占い師は、こんなことを言いますよね。
「占いに頼らないでください」
そういいながらも、占いの言葉は、どうして断定的なのでしょうか?
「彼氏は戻ってくるかな。どうかな。わからないわ」・・・こんな占いを私は見たことがありません。
耳ざわりの良い言葉ばかりを求めてませんか?
占いには、こんな仕組みがあります。
まず、相談者は自分の悩みを打ち明けます。
その打ち明け話には、相談者の願望が隠れています。
それを占い師は活用して、占いを展開していくわけです。
たとえば、相談者がこんな悩みを話したとしましょう。
「彼氏とLINEで話をしている時、こんなイヤなことを言われました。
私は怒りました。すぐにLINEを切りました。
けれど、すぐにメールで彼氏に謝りました。
でも彼氏は怒っています。『LINEを切ったお前が悪い!』と。
そんな出来事のおかげで、彼氏から連絡がありません」
こんな悩みを話す相談者の願いは、「彼氏とよりを戻したい」ことでしょう。
なので占い師は、こんなことを言うはずです。
「たんなるケンカなんだから。彼氏は戻ってくるわよ」
「彼氏の運気を見ると、心配しなくていいよ。仲良くなれるわよ」
「恋愛運は悪くない。別れることはありません」
・・・このような返答、よく聞かされますよね。
ここで考えられるのは、相談者が欲しい言葉を与えるのが占いなのかもしれません。
相談者にとって耳ざわりの良い言葉を与えている。それが占いなのかもしれません。
これでは、悩みを作り出す状況に変化をもたらせないでしょう。
いつも同じところで悩んでしまうなら、「状況を変えるアクション」が必要です。
他人が決める「宿命」「運命」に従うと自分の人生を生きられない
「宿命は変えられない。運命は変えられる」と占いではいいます。
生年月日、生れた時刻によって命盤は作られます。そして宿命を読み取るわけです。
そして宿命は変えられないというのです。
しかし、運命は変えられると、急に近代的自由を認めるわけです。
そこに矛盾を見いだせることができます。
私は占いで、自分の「宿命」「運命」をさんざん聞かされてきました。
今から思うと、これはヘルシーではないと思うのです。
「あなたは、こんな人です」「これから、こうなります」と断定されることで、自己認識や将来像が固定化されるからです。しかも権威ある先生の言葉=占い師の言葉によって。
「あなたは、これからこうなります」と言われて、「じゃあ、どうすればいいんですか?」と質問すると、こんな返答がある。「じゃあ、こんなふうにメールをしてみましょう」……それって、もう占いではありませんよね。
だったら、その人の自己認識や将来像を固定するようなことを言わず、ただ「こんな行動をしてみては?」と行動にフォーカスすればいいのです。
ちなみに私は、「宿命」「運命」という言葉を、悩める人に対して使いません。
悩める人の尊厳を侵犯したくないからです。
「それは、あなたの宿命だから」
「結婚できるのは、この歳です」
この言葉は、相手の人生に介入するものです。
むしろ悩める人の人生に介入しない占いはない、そういえるのかもしれません。
不安を減らすシンプルな方法
今まで述べてきたように、占いに頼ることでかえって不安を呼び込んでしまうことがあります。
占いで得られる安心は、あくまで「状態から状態への一時的な移行」によってもたらされるものです。
不安から安心へと「状態が一瞬シフトするだけ」であって、そこには「行動」がうながされることはありません。
「よかった~安心した」と思えても、状況を変える行動がともなわないので、また不安に行き当たるのです。
たとえ占い師の前で安心できても、占いの部屋を出ると、すぐに安心感はしぼんでしまう。
どんなに「大丈夫ですよ」と励まされても、不安感がかえって大きくなることさえある。
なぜなら不安を消そうとすると、反動で不安が強まるからです。
だからこそ、不安を消す代わりに、こんな「自分をいたわる行動」をやってみるのが大切です。
- 深呼吸してみる
- 散歩する
- 日記を書く
- 好きな音楽を聴く
- 身体を動かす
- 自然を感じる
- お世話になった人に感謝の手紙を書く
- お風呂にゆっくり浸かる
- 美味しいものをゆっくり食べる
- 友人と会話をする
- 料理をする
- 早めに寝る
- 夢中になれる趣味に打ち込む
- 絵を描く
- 楽器を演奏する
- 本を読む
- 子どもと遊ぶ
- ペットと過ごす
かつて、不安や落ち込みから自分を救ってくれた行動を思い出してみましょう。そして、今日から少しずつ実践してみてください。
こうした小さな行動を積み重ねることで、心の中に“自分だけの安心の場所”が育っていきます。
占いに頼る必要はなく、あなた自身の行動が、あなたを支える力になるのです。
今日、ひとつだけ。やってみませんか? 小さな行動が、不安にふりまわされない自分をつくってくれます。
心理セラピスト
わたなべいさお
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