「友達ができない」のはアダルトチルドレンだから?と悩んでいるあなたへ

「私には友達がいない」

「知り合いはいる。でも、友達と呼べる人がいない」

そんな悩みを抱えている人がいます。

そして、アダルトチルドレンという言葉を知って、「私に友達ができないのは、アダルトチルドレンだからなのかな」と思うようになった人もいるかもしれません。

でも私は、「アダルトチルドレンだから友達ができない」と考える前に、もう少し別のところを見てみたいと思っています。

あなたは、人とどんな関係を結びたいのでしょうか。

本当に「友達ができない」のでしょうか

あなたにとっての「友達」とは、なんでしょうか?

  • 職場では普通に人と話している。
  • 昔からの知り合いもいる。
  • LINEを知っている人もいる。
  • ときには誰かと食事に行くことだってある。

このような人間関係があっても「私には友達がいない」と言われて、「なんだか寂しい」と感じておられる方は少なくありません。

もしかすると、その人が苦しんでいるのは「友達が一人もいない」ということではないのかもしれません。

私が求めている「友達」がいない。だから寂しい。

話したいと思ったときに、連絡できる人がいない。

「会いたい」と自分から言える人がいない。

つらいときに、「今日ちょっとしんどい」と言える人がいない。

嬉しいことがあったときに、聞いてほしいと思える人がいない。

人とのつながりはある。

でも、自分が欲しいつながりではない。

その寂しさを、「友達ができない」「友達がいない」と表現されているのかもしれませんね。

相手には近づきたい。でも、近づくのが怖い

本当は、もっと親しくなりたい。

でも、「迷惑じゃないかな」「自分から連絡したら、うっとうしいと思われないかな」「断られたら嫌だな」「聴いて欲しい話があるんだけど、話してもいいのかな」……そんなことを考えているうちに、連絡するのをやめてしまう。

相手から連絡が来れば嬉しい。

誘ってもらえれば喜んで会いに行く。

でも、自分からはなかなか誘えない。

そして、しばらく連絡がないと、「やっぱり私のことなんて、それほど大切ではないんだろう」と思ってしまう。

ここには、少し苦しい矛盾があります。

「近づきたいのに、自分から近づけない」という矛盾です。

だから相手との距離が縮まらない。

そして、「やっぱり私は人と親しくなれない」という結論だけが残ってしまいます。

あるいは「私は人との適切な距離感がわからない」「どこまで自分を相手に出せばいいかわからない」「人とつながれない」という悩みが頭にもたげてくる場合もあるでしょう。

人に合わせることはできる

アダルトチルドレンについて悩んでいる人の中には、人付き合いそのものが苦手というより、むしろ人に合わせることが上手な人もいます。

  • 相手の話をよく聴く。
  • 相手が何を求めているのかを考える。
  • 場の空気を読む。
  • 困っている人がいたら、つい世話を焼いてしまう。

だから周囲から見れば、人間関係に困っているようには見えません。

ところが本人は寂しい。

相手の話はたくさん知っている。

でも相手は、自分のことをあまり知らない。

相手の期待に応えることばかりして、気疲れでしんどくなる。

そして、自分は満たされない。

そんな関係になっていることがあります。

自分の話をしようとすると、「こんな話をしてもいいのかな」と思う。

少し踏み込んだ話をしたあとには、「あんなことまで話さなければよかった」と後悔する。

だから、また相手の話を聴く側に戻る。

そうしていると、「私自身は、誰ともつながっていない」ような感覚になったり、「私は人間関係で満たされることはない」と感じられるかもしれません。

欲しかったのは「友達」ではなくて

ここで、一度「友達」という言葉を脇に置いてみませんか。

あなたが本当に欲しかったのは、何だったのでしょう。

毎週会う人でしょうか。

何でも話せる親友でしょうか。

一緒に旅行へ行く人でしょうか。

それとも、「今日ちょっとしんどい」とLINEできる人でしょうか。

「これ、おもしろかったよ」と何の用事もなく送れる人でしょうか。

久しぶりに連絡しても、「元気だった?」と普通に話せる人でしょうか。

あるいは、「今度ご飯でも行かない?」と自分から言える関係でしょうか。

そうやって考えていくと、「友達が欲しい」という言葉の中に隠れていた、自分の願いが見えてくることがあります。

「なぜ友達ができないのだろう」と悩んだら

もし、「私はアダルトチルドレンだから上手くいかない」と思っているのなら、「私は友達ができない」と結論を出す代わりに、今までの人間関係をふりかえってみましょう。

むしろ、「私は人に近づこうとすると、何が怖くなるのだろう」

「私はどんなときに、自分から距離を取ってしまうのだろう」

「私は人といるとき、どのくらい自分のことを話しているだろう」

「友達に失望してしまうのは、どんなときだろう」

「人間関係で満たされないと感じるのは、どんな理由があるだろう」

そんなふうに、自分の人との付き合い方を振り返ってみる。

そこで、子どものころから身につけてきた人との付き合い方に気づくこともあるでしょう。

「迷惑をかけてはいけない」

「嫌われてはいけない」

「相手に合わせなければいけない」

「自分のことは自分でなんとかしなければいけない」

「相手に役に立たない自分は価値がない」

「他人は、私のことを理解すべきだ」

もし、そんな思いが人との間にいつも立ちはだかっているのなら、いったん立ち止まってふりかえってみましょう。そして「それって本当なのか?」「それって、友達との関係に役に立つのか?」と問い直してみましょう。そうすることで、これまでとは少し違う関わり方を試してみることもできます。

いきなり親友を作る必要なんてありません。

誰か一人に、自分から連絡してみる。

「また話したい」と言ってみる。

いつも相手の話ばかり聴いているなら、自分の話も少ししてみる。

「今度、一緒に行きませんか」と誘ってみる。

そして相手がどう応えてくれるのかを見てみる。

そしてまた、「どうして思い通りにいかないのだろう」と感じたら、「では、私にとって思い通りにいく友達関係ってなんだろう? そして、その願いはおたがいにとって役に立つだろうか?」と問い直してみましょう。

人との関係は、自分一人で作るものではありません。

そしてまた「友達は作るものではなくて、関係を育むもの」です。

「なぜ私は友達ができないのだろう」と考える代わりに、「私は人と、どんな関係を結びたいのだろう」「おたがいどんな関係になれたらいいのだろう」と問いかけてみてください。

その答えが見えてきたとき、「友達を作らなければ」という話ではなく、自分が欲しかった人とのつながりを、自分の手で少しずつ作っていく。

そんな話に変わっていくのではないでしょうか。

最後に良いニュースがあります。

この広い世界には「友達がほしい人」はたくさんいます。

心理セラピスト
わたなべいさお

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