見捨てられ不安のコアに自己否定感情があります。
感情には、大きく分けて2つあります。
- 自然に人間に備わっているもの
- 外部から植え付けられた感情
自己否定感情は、2のタイプです。
自己否定感情は、自然な感情ではありません。周囲の大人たち・社会から植え付けられた感情だからです。
「私は価値がない」
「私は情けない」
「私が悪いんだ」
「自分はなんてダメな人間なんだ」
といった自分の存在を否定する感情・・・これが自己否定感情です。
「私はここにいていいのだろうか?」
「自分のことが希薄に感じられる」
このような自己の存在を不安定にさせるのが自己否定感情です。
それゆえに、見捨てられ不安を感じてしまうのです。
では、このページでは自己否定感情が、どのように外部からもたらされるか? 分かりやすくお伝えします。
自己否定感情が生まれる理由
自己否定感情とは、「自分のことを」どのようにみなしているかに関わる自己認識の問題です。
人間は他者を鏡にして自分を知ります。他者が投げ返してくる表情や態度、言葉によって、あるいは自分をどう受け止めてくれるかを通じて自分自身を知ります。
親や養育者が、常に気にかけてくれて、無条件の愛情を与えくれて、自身の感情や欲求に耳を傾けてくれてくれたら、子どもは安心して自己を環境のなかで機能させられます。
自分はここにいていいのだと思います。どう思い、なにをしたいのか、自由に思い描くことができます。
たとえ、やったことが上手くいかなくても、周囲の大人たちから励まされるとどうでしょう。また挑戦しようと思いますし、自身の可能性を信じることができるでしょう。
悲しいこと、寂しいことがあっても、親から「どうしたの?」と気持ちを言葉にすることをうながされたら、どうでしょうか?
子どもは自分の気持ちに健全に対処するやり方を覚えることでしょう。悲しいこと、寂しいことがあっても、誰かに受け止められることで、否定的な感情を持っても良いことを知るでしょう。
そうやって子どもは自分自身の存在を認めることができます。
しかしながら、感情を受け止めてもらえないとか、親が気に入る感情しか認められないとか、失敗した時、存在そのものを否定されたら、どうなるでしょうか。子どもは自分が悪いからそうなったのだ、と解釈します。そして自分は価値がないという考えを内面化してしまうのです。すなわち自己否定感情を持つにいたるのです。
子どもが大人たちに要求し、欲しがるのは自然のことです。ですが、子どもの欲求に健全に応対しないことでも、自己否定感は植え付けられます。
子どもが欲しがることに対して「わがまま言うんじゃない」など、むげに退けたり、「それより、こっちにしなさい」と、好みを否定することが続くと、「欲求や感情、好みを持つ私は悪い」とみなすようになります。これでは自分を肯定的にとらえられず無価値観をもたらします。
さらに具体的な事例をあげましょう。
子どもの頃、悲しいことがあって親にそれを話した。
けれど、悲しい感情を受け止めてはくれなかった。ただ、世間の一般常識に照らして、「こうすればいいのよ」と「アドバイス」されるだけだった。
子どもが何か失敗しても、その誤った行動にしぼって注意しないで、「ドジだな」「いつも、おまえは情けないな」という具合に、子どもの存在そのものを全否定する。
あるいは他のきょうだいと比較して馬鹿にするとか、
勉強の成績が唯一の価値であり「こんな成績では、ろくな人生にならないぞ」と頭ごなしに言ってのけたり、
・・・このような親から受ける「自己の存在が貶められる」体験が、「私はダメだ」「私はどこか欠けている」「私は価値がない」といった自己否定感情をつくるのです。
親の願望達成のために子どもに頑張ることを迫る家庭では、「失敗した自分は終わりだ」とばかりに、自分を否定する気持ちを醸成します。
家庭内に虐待や暴力や暴言があり、十分な愛情を受けることが出来ない、あるいは尊厳が侵犯され続けた場合、子どもは自尊心が奪われます。
自分を大切にしてもいいんだという自尊心が奪われることで、自己否定感をかかえてしまいます。
こうして見ていきますと、自己否定感情は自然感情ではないことがわかるでしょう。
親や周囲の大人たち、あるいは社会によって植え付けられる「つくられた感情」です。
つまり、自己否定感情は「あなたのものではない」ということです。
自己否定感情とは、あなたのありのままの姿を評価するものではありません。
見捨てられ不安の中核―自己否定感情
「自己否定感情」は、見捨てられ不安の中核です。
私は価値のないダメな存在であると自認していると、相手からの愛情を受け入れることが難しくなります。あるいは「優しくしてくれているけど、どうせ私なんて、いつか見限られるにちがいない」と、見捨てられ不安に脅えることになります。
ここで見捨てられ不安とは、「私」が「自分」をどうみなしているか? という自己認識に深く関わるものだと理解してほしいのです。
心の内奥に自己否定感情があると、心に痛みをかかえます。
見捨てられ不安に悩む人は、この心の痛みを癒してくれる人を求めます。自分の存在を認めてくれる救済者を欲しがるのです。
そして恋愛相手を救済者としてみなした時、相手にのめり込み、しがみつき、依存が始まります。
この人以外考えられないばかりに、恋人こそが自分自身を救ってくれる唯一無二の人としてみなします。
あわせて「いつか私は見限られて捨てられるはずだ」と、見捨てられ不安も強まるので、心の痛みは解消されません。なので余計に相手にしがみつき、束縛するに至ります。
この束縛に耐えられなくなった相手は、関係から距離を置きます。ふたたび孤独になることで心が痛みます。
ここで気づいて欲しい大切なことは、心の痛みを人間関係で癒すのではなくて、自分自身の力で「わたし」を救い出すことなのです。
・・・つまり、自己否定感情から抜け出すことで、見捨てられ不安を解消することができるのです。
どんな言葉が、あなたを縛っているのでしょう。
どんな言葉によって、あなたは自己否定感を植え付けられたのでしょうか?
その言葉は、「あなたの真実」を語っているのでしょうか?
自己否定感情を作っている言葉を探して、分解していきたいですね。
けれど自分のことは、自分自身のことがわからないものです。
自分に、自己否定感をもたらしている「何か」を自分ではわからないのです。
人間には盲点があるので、自分自身のことがいちばん分からないからです。
ですからご自身の努力では状況を変えることが出来ないと思われたら、お悩みについて私に聴かせていただけないでしょうか?
私はあなたの味方になります。私は心理セラピストとして最善を尽くします。
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米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト
わたなべいさお
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