「インナーチャイルドが癒されない。繋がれない」
「癒されない私。だから苦しいの?」
こんな悩みがあるなら、心配する必要はありません。その理由を解説していきます。
「インナーチャイルドを癒そうとしても、辛くなるだけなんです」
ある相談者さんが、こんな悩みを私に話してくれました。
「インナーチャイルドを癒すために、カウンセリングを受けてきました。
でも、とっても辛くなるのです。
癒すことができないインナーチャイルドを感じるたびに、辛くなるのです」
あなたもインナーチャイルド・セラピーやカウンセリングを受けたことがありますか?
もしくは「これから受けてみたい。インナーチャイルドを癒して本当の私になりたい」と、思われていますか?
しかしながら「チャイルドを癒そうとしても、よけいに苦しくなるのです」といった具合に嘆かれる相談者さんは本当に多いのです。
ところで「インナーチャイルド」とは何でしょうか?
たとえばそれは「内なる子ども」と表現されます。
「大人になっても自分の内には『子どもの頃のあなた』がいる」というわけです。
インナーチャイルドセラピーのカウンセラーは、こんな説明をあなたにするでしょう。
「現在、あなたが抱えている悩みの原因は、幼少期の傷つき体験にあります」
「あなたの中には、傷ついた子ども時代のあなたがいるのです」
「だから、傷ついた子ども時代のあなたを慰めて癒す必要があります」
「幼少期の傷つき体験が今の悩みの原因です。なので「内なる子ども」=インナーチャイルドをなぐさめて癒してあげましょう」
このように筋道立てて説明されると、「インナーチャイルドを慰めることで現在の悩みを克服しよう」と考えてしまいますよね。
しかしながら、ここで問題が起きるのです。
インナーチャイルド・カウンセリングを受けるたびに、「よけいに辛くなる」と訴える方は少なくないからです。
では、どうして癒そうとするのに、辛さを覚えてしまうのでしょうか?
インナーチャイルド・カウンセリングで辛さを感じる理由とは?
カウンセリングを受けてみても、インナーチャイルドが癒されない。だから辛い――
どうして、そのようなことが起きるのでしょうか?
それは「癒されていない自分がいる」という想いがご本人を苦しめるからです。
この「癒されていない自分がいる」「私は癒されていないんだ」といった想いがその人を悩ませるのです。
「傷ついた子ども時代の私」を癒さなければいけない。
さもなければ、現在の悩みは解決できない。
……これがインナーチャイルド・カウンセリングの考え方です。
この考え方には「あなたのなかには傷つき泣いている子どもがいる」という前提があります。
この前提ありきのセラピーですから、インナーチャイルドは悲しみに沈んでいる必要があります。
あなたの内なる子どもは未だに傷ついている――こういう前提を成り立たせるためには、インナーチャイルドは「泣いている」設定でないといけません。
そのような設定があるものですから、カウンセリングを受ける度に「傷つき泣いているチャイルド」に向き合うことになります。
そのたびに「ああ、今日も癒されなかった」「私の傷つきは癒されないんだ」と、落胆してしまう。
だから、インナーチャイルドカウンセリングは苦しいのです。
カウンセリングを繰り返し受けても、インナーチャイルドは悲しんでいます。
まずもって「明るくて楽しいチャイルド」が現れることはありません。
そうです。もうお気づきですよね。
インナーチャイルド・カウンセリングには、終わりがないのです。
だって、カウンセリングが始まると「泣いていて傷ついているチャイルド」が現れる設定なのですから!
あなたの内なる子どもは傷ついている――こういう前提がある以上、インナーチャイルドは悲しんでいないといけません。
なので、カウンセリングを受けるたびに辛く感じて当然なのです。
何度もカウンセリングを受けてみても「傷ついたチャイルドしか出てこない」のですから、これでは達成感が得られず辛いのは当たり前です。
たとえ、辛くなった相談者が「もうカウンセリングを受けたくありません!」と、カウンセラーに言ったとしましょう。
すると、カウンセラーは、こう言い返すはずです。
「あなたが嫌がるのは抵抗している証拠です。
まだ癒されていないチャイルドが残っているから、あなたは抵抗するのです。
さあ抵抗しないで、もう一度、始めましょう」
そう言いながら、辛いカウンセリングに相談者を向き合わせます。
あるいは「私にはインナーチャイルドが感じられません」と、カウンセラーに言ったとしましょう。
すると、「それは抵抗が強すぎるからです。
きっと、あなたのチャイルドはひどく傷ついているので、
姿を現すのが怖いんでしょうね」
と、やはり「傷ついたチャイルド」に向き合わさせられます。
「インナーチャイルド」を扱うカウンセリングでは、内なる子どもはいつだって悲しんでなければなりません。
インナーチャイルド・カウンセリングを受ける人というのは、「傷ついたチャイルドが心の中にいる人」でなければなりません。
だからこそ、カウンセリングを受けるたびに「癒されていない私がいる」ことを感じさせられます。
そして「私には治さなければいけない何かがあるのだ」「私は癒されていないのだ」「癒されていない自分がいるんだ」という考えに至ります。
つまり自分の中には「問題」があるんだ、と感じてします。
なのでカウンセリングを受けるたびに、苦しくなるのです。
インナーチャイルドは実在しません
さて、インナーチャイルドとは、実際にあるのでしょうか?
いいえ。インナーチャイルドとは概念であって実体はありません。
つまり「これがインナーチャイルドだ」と、指し示すことはできないのです。
あくまでも概念の上でインナーチャイルドは存在しているのです。
この「概念の上で存在している」とは、どういうことでしょうか?
それは「インナーチャイルドってあるんですよ」という約束事があるに過ぎない・・・という意味です。
これは、数学の世界でも同じことが言われています。
たとえば「点」というものがあります。
この「点」も概念の上で存在しているに過ぎません。
実体として「点」は、存在していないのです。
あなたは「点」を描けますか? おそらく無理だと思います。
なぜなら数学において「点」には、面積があってはいけませんからね。
「点」に面積があるなら、それってどれくらいですか?
学校で教えてもらいましたか? そうです。「点」には面積がないのです。
面積がなければ、それをノートに実体として描けません。
美術の授業の時間では「点」は描けるでしょう。
しかし、数学の世界では「点」には面積はないし、「線」だって幅がないことになっています。
1ミリ幅の線と、1.5ミリ幅の線・・・どちらが正しい線でしょうか? どちらが正解ですか?
そうです。線の幅なんて決まっていません。だって、数学の世界では「線」には幅があってはならないから。
実体として「点」「線」は存在しないことがわかりますよね。
でも数学の世界では「点」や「線」はあるのです。あることになっているのです。
あくまでも概念上において「点」「線」はあるのです。
それと同様にインナーチャイルド・カウンセリングの世界では「インナーチャイルドは、あることになっている」のです。
すなわち、インナーチャイルドは概念上「存在している」ことになっているに過ぎません。
「インナーチャイルドってあるんだよ! それって傷ついているんだよ! だから癒してあげようね」といった具合にです。
まとめますとインナーチャイルド・カウンセリングとは、、、
「インナーチャイルドという概念を使って悩みを解決しましょう」というある特定のアイデアに過ぎません。
普遍的なものでもなんでもない。ある特定のセラピー手法でしかない。
それゆえに、すべての方に「インナーチャイルド・カウンセリング&セラピー」を適応すべきではありません。
あまつさえ、「チャイルドが癒せてないから、あなたは生きづらいのです」と強引に迫るべきでもない。
ですから「インナーチャイルドが癒されない」ということで、余計な悩みを抱えないでくださいね。
「いや違う! インナーチャイルドはあるんです!」
・・・このように言い張るカウンセラーはいるでしょう。しかし、その人はインナーチャイルドがあることを信じているに過ぎず、信じないと存在しえない物に実体はありません。
信じるのをやめると、インナーチャイルドはすぐに消えてしまうのだから。
過去ばかりに向き合うインナーチャイルド・カウンセリング
インナーチャイルドが癒されないことで余計な悩みを抱える必要はない……そのもうひとつの理由を最後に付け加えます。
インナーチャイルド・カウンセリングを受けることで相談者さんは、過去の記憶ばかりに注意が向けられます。
つまりインナーチャイルド・カウンセリングによって「過去のことばかり」しか考えられなくなるのです。
そして現在・未来に意識を向けることが出来なくなるのです。
はたして過去を変えないと、現在は楽にならないのでしょうか?
過去の子ども時代の傷つきを癒さない限り、あなたは幸せになれないのでしょうか?
いいえ。それは間違いです。
過去を振り返らなくても、今ここで癒されることができるからです。
つまり「過去の古傷ばかり思い出させられて、もう辛い!」と、インナーチャイルド・カウンセリングが嫌になったら、もうやらなくていいのです。
過去の古傷を蒸し返すことなく、今ここで癒されて生きづらさを手放したい方は、ご相談に応じます。
ご相談の受付ページはこちらです。
米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト
わたなべいさお
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