アダルトチルドレンの苦しみは理解されない

アダルトチルドレンの苦しみは他人に理解されない

相談者のR子さんは、こんな話を私にしてくれました。

「私は父親と話が噛み合わず、何を言っても言い返してくる人でした。

父親は私にとって、しんどい人でした」

「私が幼かった頃から、両親は毎日のように喧嘩ばかりしていました」

「母親は、父親と結婚したことを後悔していました。

『あなたがいるから、離婚できなかった』

といわれた時は、『私は生まれてはいけなかったの?』と思いました」

「私が家を出ようとすると、全力で親は妨害してきました。

『結局は、娘の私がいないと親はやっていけないんだ』と、げんなりしました。

私は自由になりたかった。けれど、親に邪魔されてきました。なんのために生きているのかわかりません。

もう生きているのが辛いのです。それは親のせいなのです」

「私は両親を憎みながら、ふたりを介護しています」

「介護が苦しくって、親を捨てたい。

けど、そんなふうに思う私って冷たい人なのかなって。自分を責めてしまいます。

けど、『いつまで介護しなければいけないの?』って思うのです。もう疲れました」

このように家族のしんどさを話すR子さん。

そのような家族のしんどさを、R子さんはいろんな人に打ち明けたそうです。

すると、こんなことを言い返されたそうです。

「親の介護をするくらい、あなたは親を愛してるのね」

「あなたがそばにいてくれることで、お父様もお母様も嬉しいはずだわ」

「親孝行しているのね。えらいわね」

「お父さん、お母さんのそばに、いてあげてね」

「家族を大切にしてね。がんばってね」

・・・・といった具合に、R子さんの悩みは理解されませんでした。

親子関係で悩んでいるのに「家族っていいものよ」「家族は大切だよ」と言われたことで、R子さんはがっかり。

「私の家族のしんどさは、理解されません」と、R子さんはいわれました。

しんどい親子関係の悩みは理解されない・・・。

それどころか、「娘さんにお世話される親御さんは幸せよね」と、家族愛を押し付けられるのでした。

それでもR子さんは、こんな悩みを周囲の人に打ち明けたそうです。

「私は子どもの頃から、親のせいで、しんどい思いをしてきた」

すると、周囲の人からこんな返事があったそうです。

「あなたの親御さんって優しい人なのに。信じられない」

「親なんだから許してあげたら」

「あなたも親になればわかるわよ」

と、言われたそうです。

「親の悩みを打ち明けたことを、私は後悔しているんです」とR子さん。

あなたも「アダルトチルドレンの苦しみ」を周囲に理解されないことに、悩んでいますか?

「家族というだけで良い関係なんだ」

「家族はあったかいんだよ」

このように考えている人に、家族の悩みを打ち明けても理解されません。

ましてや、この国では「家族愛」「家族のあたたかさ」「家族の絆」といった価値観が持ち上げられています。

ですから親のしんどさを伝えても、「そうは言っても、家族っていいもんだよ」と言い返されるのです。

家族の悩みは、自分の胸にしまい込むには、あまりにも大きすぎて、深すぎます。

だから、家族のことを誰かに話したい。

アダルトチルドレンとしての苦悩を誰かに打ち明けたい。

そう思うのは自然なことです。

けれど残念なことに、アダルトチルドレンの苦しみを理解されるのは難しいのです。

苦しみを伝えても、「この人は、親への不満が強いだけだ」と、解釈されてしまう。

あるいは「どこの家もそんなもんよ」「どこの家族も何かあるもんだよ」と、話すら聞いてもらえない。

「親は子どもを愛しているのよ」

「親も大変なのよ」

「あなたも親になれば、親の気持ちが理解できるわよ」

「私も親とは色々とあったわよ。

でもね、親とは縁が切れないものなのよ」

このように親子関係の悩みを打ち明けると、言いくるめられるのです。

ことほどさように、「アダルトチルドレンの苦しみ」を他人に伝えても、理解されないどころか、言い返されることが多いのです。

どうして「家族の悩み」は他人に理解されないのか?

アダルトチルドレンの悩みは、とても根深いものですよね。

しかし、こうした「根深い悩み」を受け止めることが出来る人は、めったにいません。

よほど訓練を積まないと、他人の悩みにじっくり耳を傾けて、上手に受け止めることは出来ないからです。

ましてや「家族の悩み」を受け止めるのは、一般の人には難しい。

なぜだと思いますか?

「他人とは、自分の理解を超えた、自分とは違った世界に存在している」ことを多くの人は理解できないからです。

多くの人はたいてい、「自分」と「他人」の区別がつきません。

あまつさえ「自分の家族」も「他人の家族」も同じものとして理解してしまう。

「他人とは、自分の理解を超えた、自分とは違った世界に存在している」ことを理解できない人からすれば、自分とは違う成育歴を他人から聞かされると、どう対応していいかわからない・・・だから、とりあえず常識を持ち出すか、自分自身の家族観を押し付けてしまうのです。

なので、「ああ、親の悩みを話すんじゃなかった」と、あなたが後悔してしまうのは、仕方がないことなのです。

ですから「アダルトチルドレンの苦しみ」や「親子関係の悩み」をむやみに打ち明けるのはやめましょう。わかってもらえないことで、落胆が深まる懸念もあります。

「この人なら、私の家族の苦労をわかってくれそう」と思って打ち明けてみても、「私もそうだった!」と、逆に苦しい話を聞かされてしまうことに・・・。

「この人も家族のことで悩んでいた。だから自分の苦しみを理解してくれるはずだ」と、淡い期待をして悩みを打ち明けると、「あなたも親になって子どもができたらわかるよ。それがどうしたの?」と一蹴されてしまった苦い経験が私にはあります。

なかなか、自分の悩みは他人に理解されないし、受け止めてもらえないものなのです。

アダルトチルドレンの苦しみはプロに聴いてもらいましょう

「他人とは、自分の理解を超えた、自分とは違った世界に存在している」ことを多くの人は理解していません。

ですから、あなた固有の家族の悩みを打ち明けられても対応できないのです。

対応できないばかりか「親のことを悪く言ってはいけない」というその人にとっての常識を押し付ける場合もあるくらいです。

だから、むやみに他人にアダルトチルドレンの苦しみを明かさない方がいいのです。

理解されることを期待すると、「わかってもらえなかった!」と落胆してしまうから。

だからこそ、カウンセラーなど専門家の手を借りることでアダルトチルドレンの苦しみを捨て去りませんか?

ご自身の努力では状況を変えることが出来ないと思われたら、お悩みについて私に聴かせていただけないでしょうか?

私はあなたの味方になります。私は心理セラピストとして最善を尽くします。

漠然とした不安、むなしさ、さみしさ、憂鬱さに悩んでいたら、ご相談に応じています。

カウンセリングの内容については、以下のページで書いていますので、お読みください。

機能不全家族をサバイブした人が抱える不安感のサイズを小さくする。
家族問題で悩んでいる方へのカウンセリングを実施しています。機能不全家族における悩みをひとりで抱えないで、ぜひカウンセラーにご相談ください。親子・兄弟姉妹・嫁姑・親戚との関係に悩む方にとって、誰かに苦しみを打ち明けることは解決のための一歩です。どうか孤独のなかで深刻にならないでください。

 

米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト

わたなべいさお

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