私のセラピーを受けに来られたある相談者さんは、こんなお悩みを伝えてくださいました。
「私が結婚できないのは、親が毒親だったからだと思います」
「毒親育ちの私は普通の幸せな家庭を知りません。
だから結婚しても上手くいくかどうか自信ありません」
「恋愛が上手くいきません。結婚に進まないのです」
「恋愛していても『私は愛されない。いつか私は見捨てられる』と思ってしまいます。
だから恋人のことが信じられず、結婚にも前向きになれません」
あなたも、自分は毒親育ちだから結婚できないと思い悩んでいる方なのでしょうか?
結論からお伝えしましょう。
「毒親育ち」を理由にして「私は結婚できない」と思う必要はありません。
その理由を、「家族ってなに?」について考えながら、あなたにお伝えしていきます。
「家族はこうあるべきだ」なんて考えなくてもいい
あなたには、こんな疑問はありますか?
「自分の実家は幸せな家族ではなかった。
だから幸せな家族を知らない自分が、結婚して幸せになれるのでしょうか」
そんなあなたにお伝えしたいのが、
「幸せな家族」を作ろうとして気負うことはない、ということです。
だいたい「幸せな家族」なんてあるのでしょうか。
私は今まで多くのご家族の悩み相談に応じてきました。
しかし、私は「幸せな家族」を見たことがありません。
たとえ親が「幸せな家族をつくりたい」と考えてみても、そんな願いが裏目に出て上手くいかないケースはいっぱいあります。
たとえ「自分は親みたいに毒親にはならない」「子どもにとって良い親になりたい」と思っても、子どもが親をどう思うかは別問題です。
子どもが大人になった時に、「ウチの親は私をルールで縛りつけてきた。自分にとっては毒親だった」と、あなたに言うことはおおいにありえます。
私のセラピーを受けられたAさんは、このように言われました。
「自分の家族は『理想の家族』だと思っていた。
けれど、家族のみんなは『理想というもの』に縛られていた。
気がつけば、自分は家族の息苦しさに苦しんでいた」
このように親にとっての「理想の家族」によって、子どもは苦しい思いをするのです。
なぜなら親にとっての理想の家族をつくるために、子どもは親に気を使うからです。
ですから幸せな家族になるように、親は頑張る必要はないのです。
家族のために頑張って、それが報われないのを愚痴る親と、
「家族はこうあるべきだ」なんて考えず、面白おかしく愉しく生きている親のどちらが、子どもにとって楽だと思いますか?
面白おかしく愉快に生きている親の方が、子どもにとって気楽なはずです。
ですから「家族はこうあるべきだ」と、考える必要はないのです。
つまり自分が幸せな家族を知らないからと言って、家族をもつことをためらう必要はないのです。
上手くいっている家族なんてない
毒親育ちの方は、このように考えています。
「ウチの家はおかしい。他の家族は上手くいっていて恵まれている」
本当にそうなんでしょうか?
いいえ。この世に上手くいっている家族なんてありません。
まずは親についてですが、
親と言っても人間です。
人間というのは誰もが歪んでいて、曲がっています。
そんな人間が人間を育てるのです。
思い通りにいく方がおかしいのです。
親子関係を思い通りにいかそうとすればするほど、おかしい方向に行くのが家族というものです。
自分の思い通りに子どもが育つ保証はまったくないからです。
ましてや親は初めて「子育て」をするわけです。
子どもの方だって初めて、その人を親にするわけです。
親と子って、おたがい初対面なのです。
つまり、上手くいく方が稀ではないでしょうか?
結婚生活とは、子育てだけではありません。
配偶者との関係もあります。
自分の夫や妻って、他人ですから、上手くやるにはそれなりのスキルが必要です(そのスキルについては、のちほどお話します)。
それでも、いくら注意深く子育てをしても、子どもが思春期になると、子どもはどうなるかわかりません。
「配偶者の気持ちを自分は良く知っていると思っていた。
しかしそれは勘違いだったことに気づいたのは、離婚の後だった」
そのような話はよくうかがいます。
ことほどさように、
家族って難しい。
誰だって恋愛、結婚生活、子育ては難しいのです。
自分の考えや態度が意外な結末をもたらして、後になって大問題に至ってしまう・・・。
それが結婚生活だし、子育てだし、家族の姿だから。
みんな大変なのです。誰もが子育てや配偶者との関係に悩んでいるのです。
ですから「自分は毒親育ちだから結婚は無理だ」と初めから決め込むことはないのです。
親はなくとも子は育つものです―あなたが毒親育ちとか関係ないのです
さらに言えば、昔から「親はなくとも子は育つ」と言いますよね。
親がいなくても子どもは育つのです。
その子がやりたいことをやらせて、早く家から独立してもらうことです。
そのためには「家族はこうあるべきだ」という親の価値観を子どもに押し付けないことです。
つまり親が子どもに出来ることって少ないのです。
ですから「自分は良い親になれるだろうか」と、気負うことはないのです。
親はなくとも子は育つのです。あなたが毒親育ちとか関係ないのです。
普通の家族なんてない
あなたは、ひょっとしてこんなふうに思っていませんか?
「私は普通の家族を知らない。
だから結婚して自分の家族をもつ自信がないのです」
そうですよね。私もそう固く信じていたひとりです。
家族と一緒に暮らすことで、しんどい思いをしてきた人ほど、自分の家族以外は全部「まとも」だと思い込んでしまいますよね。
自分の家族は普通じゃない。
だから普通を知らない自分が、結婚して自分の家族をもてるのだろうか?
そう思うのも無理はありません。
けれど他の家族なんて、実際どうなっているか分からないものです。
自分の家族以外はすべて普通であって、ウチは「おかしい」だとは言い切れないですよ。
なぜそう言えるかと言えば、私は数多くの家族相談に応じてきたからです。
どこの家も少しはおかしくって、少しはゆがんでいて、少しはひんまがっているものです。
「ウチの家族は幸せな家族だ」と言い張る人がいても、その家族の誰かは不満をかかえているものです。
ですから自分は普通の家族を知らないから自分の家族をもてないと、決め込む必要はないのです。
「良い恋愛」から「結婚」に進むための秘訣―話し合い
良い恋愛をするための秘訣。
それは「話し合い」です。
良い結婚生活にもこの「話し合い」は不可欠です。
あなたは心をオープンにして率直になって親密な人と話し合うことができますか?
恋人に向き合って、話し合いができますか?
もし、それが困難ならば、結婚生活も難しいでしょうし、恋愛も上手くいかないでしょう。
どうして、そういえるのでしょうか。
ここで自分の実家の様子を思い返しましょう。
あなたが生まれ育った家庭に、話し合いはありましたか?
親たちは「これは重要な問題だ」と認識することができて、その問題を粘り強く話し合っていましたか?
もし、話し合いがなくてすぐに喧嘩になる家庭なら、当然、しんどい家庭になることでしょう。
親たちが話し合うのではなくて「うるさい」「黙れ」とすぐに喧嘩を始める人ならば、当然、家族はおかしくなります。
家族は幸せから遠ざかるでしょう。
なぜなら人と人がたがいに幸せになるには、話し合いが必要だから。
けれど話し合い・・・毒親がいちばん嫌うことです。
毒親とは体裁を過剰に気にします。
ですから本音を吐けないのです。当然、相手と向き合って話すことを嫌がります。
毒親とは自分に素直になるよりも、相手を束縛してコントロールすることを好みます。
だから話し合いをするより、怒鳴りつけてその場を支配しようとします。
家族の重大な問題をめぐって話し合いをするよりも、嘘と言い訳とごまかしで問題から逃げようとする・・・それが毒親です。
もっと自分の親が心を開いて、じっくりと話し合える人ならば、「生きやすい家族」になれたことでしょう。
親は、家族と向き合って話し合うことができなかった。
けれど、あなたは話し合いの大切さを知って、実践することは可能です。
逆のことを考えましょう。
もし、あなたが自分の人生から愛を遠ざけたいなら、人と話し合わないことです。
愛されることを避けるには「沈黙」「無視」をすればいいのです。
恋人や配偶者があなたに話しかけてきても、
・黙っている
・無視する
・よそ見する
・聞かないふりをする
・「そうだな」みたいに一音節程度の返事しかしない
そんな態度をやってください。
もうお気づきですよね。
相手と粘り強く話し合うことが、いかに愛情関係を保つのに必要不可欠かと言うことを。
よくよく思い返してみてください。
母親と父親が「話し合い」できていたら、あんなにもトラブルが深まらなかったのではないですか?
実家の様子を思い返してみたら、相手をよく見定めるためにコミュニケーションを深めることは大切だと思いませんか?
- 相手をよく見定めるために
- 自分の考えや意思を相手に伝えるために
- おたがいが大切にしたい価値観を分かり合えるために
・・・話し合いはとっても大切です。
恋人とのすれちがいや、思い違いを防ぐためにも、話し合いをしましょう。
良い恋愛。そして結婚へとステップを進めるために話し合いをしましょう。
毒親育ちは「話し合い」が苦手
「ちょっと待ってくださいよ」
・・・え? どうされました?
「私は恋人と話し合いをしたいのです。
でも、私の話を恋人が受け入れてくれるか不安なのです」
「自分を出して、恋人に嫌われるのが怖いのです
だから話し合いなんて出来ません」
「私は冷静になって話しあうよりも、すぐに感情的になります。
だから恋人に怒りをぶつけてしまいがちです」
・・・確かにあなたの親は、あなたの言い分を聞いてくれませんでした。
だから、あなたには「自分の話は聴いてもらえない」という不安をかかえているかも知れません。
そしてまた毒親は話し合いよりも、すぐに喧嘩を始めました。
そんな親のもとで育つと、じっくり落ち着いて話すことに苦手意識をもっている人もいるでしょう。
確かに毒親育ちの方は、冷静に粘り強く「話し合う」のができない人は多いです。
もしあなたが、、、
・恋人につい感情的になってしまう。
・恋人に怒りをぶつけてしまう。
・いつも心はモヤモヤしていて恋愛に不安がある。
・恋愛が始まると心が不安定になる。
・・・だから、恋愛から結婚に話が進まない。
このようにあなたが悩んでいたら、その原因は見捨てられ不安にあるかも知れません。
あなたが恋愛に不安を感じていて、恋愛も結婚も上手くいかないと思っていたら、こちらのリンクのページを読んでください。
米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト
わたなべいさお
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