機能不全家族の末路とは?|家族から離れても苦しみ続ける理由

機能不全家族で育った人の末路とは何か。

それは家族から離れても、人生や心が縛られ続けることです。

具体的には、次のような形で現れます。

  • 家族との関係に、たえず気を使ってしまう
  • 家族の問題に、いつまでも心を引きずられてしまう
  • 実家を出ても、親のことが頭から離れない
  • 大人になっても、親との関係で葛藤し続ける
  • 親の老いや介護の場面で、再び深く関わらざるを得なくなる

私はこれまで4000件以上のカウンセリングを行い、機能不全家族で育った方の相談を多数受けてきました。

また、私自身も機能不全家族で育った当事者です。

本記事では、機能不全家族の末路について「家族の特徴」とともに解説していきます。


たがいに縛りあう家族たち

機能不全家族の末路の出発点は、家族同士が縛りあう関係にあります。

機能不全家族では、家族の望みは満たされません。
よって、いつも家族は失望しています。

家族は、家庭生活で何を望んでいるのか。それは以下の通りです。

「養育」
「安全性」
「安心感」
「安らぎ」
「愛情」
「人として大切にされて尊重される」
「自尊心」
「成長」
「自立して生きるためのスキル」
「理解されること」etc

上記のことを、家族は家庭内で満たしたいのです。

しかし、これらの「望み」が満たされないと、家族はどうなるでしょうか?

家族はバラバラに離散すると思いますか?

「ウチの家は問題だらけだ」
「親は喧嘩ばかりしている」
「娘の私がお母さんの慰め役になっている」
「長男の僕が夫婦喧嘩の仲裁をしないといけない」
「親子関係が逆転してるじゃないか」
「こんな安らぎのない家なんか出て行ってやる」
「もめごとばかりの家なんか、もうごめんだ」

・・・といった具合に、家族は家を飛び出すと思いますか?

そして、家族はバラバラに離散するでしょうか?

いいえ。そうはならないのです。

離散するどころか、機能不全家族はかえって結びつきが強くなるのです。

なぜなら家族が家族を縛りあうのが機能不全家族だから、です。

以下の具合に、家族は他の家族を縛るのです。

・お兄さんは、弟が父親から虐待されるという恐怖によって家族に縛られています。

・母親は、娘の欠点を見つけて口出しすることに没頭しています。娘の行動にいちいち干渉することで、母親は娘を縛りつけます。

・お兄さんは妹に暴力をふるうので、兄の態度に妹はいつもビクビクしています。

・息子は、折檻をくりかえす母親を怖がって身動きが取れなくなっています。

・父親と母親はいつも喧嘩をしています。親同士の喧嘩を見せつけられる子どもたちは、暴力という恐怖に心が縛られます。

・親は子に愛されることを求めます。子もまた親から愛されることを求めます。母と子の関係はとてもタイトです。

・「飲酒」「借金」「ギャンブル」「浮気」「暴力」「喧嘩」「トラブル」といった家庭内の問題に家族はいつも注意を向けています。

・両親の不仲のせいで、子どもたちは親の機嫌に右往左往しています。

このように家族は「家族」に縛られるのです。

「家族の問題」は外部に知られてはいけない秘密として見なされるのが機能不全家族なのです。よって、ますます家族は「問題」に向き合わされます。問題に縛られるのです。

さらに、「家を出てはいけない」という暗黙のルールが機能不全家族にはあります。

ある子どもは、両親の不仲を心配して実家を出ることができません。

両親の関係を気にするあまり独り立ちできないのです。

ある母親は「私の面倒をみてほしい」と強く願うあまり子どもを手放しません。

「子離れ」「親離れ」を許さないのです。

そんな子離れができない母親のせいで、娘・息子は実家を巣立つことができません。

ことほどさように、家族同士が縛りつけ合う状態へと至るのが機能不全家族の末路なのです。


家を出ても「家族」に縛られる

機能不全家族の影響は、家を出たあとも続いていきます。

家を出たとしても、そこで終わりにならないのです。

独立した娘・息子を、親が干渉するケースは少なくないからです。

ひとり暮らしをしている娘・息子に電話を掛け続ける親がいます。

突然、家にやってきて勝手にあがりこむ。そして冷蔵庫の中身を入れ替える親もいます。

連絡をしてこない子の職場にまで電話をするお母さんがおられました。

「いつ孫ができるのかしら?」と、娘夫婦の生活に干渉してくる母親がいます。

「息子にきちんとした食事をしてあげてちょうだいね」と、いちいち注文をつける義理の母親がおられました。ちなみに、その息子さんは60歳を過ぎています。

つまり、親はいつまでも子どもに注意を向けて、干渉するわけです。

実家を出た娘・息子たちも、家族の様子を心配します。

「私が家にいなくても、両親は仲良くできるかな」といった具合に、娘・息子は実家のことが頭から離れられないのです。

親と距離を置いても、「家族の問題」ばかり考えてしまう。

あるいは、「私は親に愛されなかった!」と、親への恨み・怒りが止まらず苦しんでいる人がいます。

親と離れても親のことばかり考えてしまうのです。

ことほどさように、たとえ子どもが実家を巣立ったとしても「家族に意識が縛られる」のが機能不全家族の末路といえるでしょう。

それは、親が亡くなっても続くかもしれません。


なぜ機能不全家族から抜け出せないのか

機能不全家族から抜け出せないのは、意志の弱さではありません。

不安や罪悪感、恐怖といった反応が、無意識に起きてしまうからです。

頭では「離れたい」と思っていても、身体がそれを止めてしまう。

そのため、

・連絡してしまう
・気にしてしまう
・戻ってしまう

ということが起きます。

これは性格ではなく、長年の環境によって形成された反応なのです。


「家族」終焉のとき

機能不全家族の末路は、親の老いとともに現実の問題として突きつけられます。

年老いて社会の第一線を離れた父親。同じく高齢者になった母親。

今までだったら「もっと、こうしてよ!」と親に要求することができました。

しかし、年老いた親を目の前にして気づくのです。

「もう親に期待しても仕方がない」と。

そして、「親の介護」を考える必要が出てくるかもしれません。

現実には、病院や介護サービスの手続きにおいて、家族の関与が求められます。

申込書には「続柄」を書く欄があり、「子」と記入する場面があります。

そのとき、自分が家族という関係から逃れられないことを実感する人もいるでしょう。

そして最終的に、多くの人が直面するのが「看取り」の問題です。

「あんな親には会いたくない」
「でも、最期くらいは顔を出すべきなのか」

そうした葛藤に揺れることがあります。

また、葬儀に出るべきかどうかで悩む人も少なくありません。

最期の場面で、親への憎しみと、責任との間で揺れる。

その揺れもまた、機能不全家族の末路のひとつなのかもしれません。


それでも自分の人生を生きるために

機能不全家族の影響は、大人になっても残ります。
それでも、自分の人生を生きていくことはできます。

自分の人生を歩んでいきたい。
それなのに、つい親のことを考えてしまう。
「あの時の出来事」が頭から離れない。

親のことを気にしない方がいいことも、頭では理解している

それでも、なぜか同じ反応を繰り返してしまう。

私自身も親にいわれた言葉に、つい腹を立てて怒りがおさまらないことが度々ありました。

遠く離れて住む親が認知症になったと知らされた時、目の前が真っ黒になりました。
「どうすればいいんだ」と、激しく動揺しました。

「親は親だ。私には関係ない」と、考えられなかった。
私は、家族に縛られ続けていたのです。

大人になっても、親のことで憤り、焦り、嘆いてしまう。
それは仕方のないことです。

親のことで、いつまでも心が揺れてしまうのは意志が弱いからではありません。

機能不全家族で育つと、

・不安
・罪悪感
・恐怖

といった反応が、身体レベルで染みついていきます。

そのため、頭では「やめよう」と思っても、身体が反応してしまうのです。

つまり、どうして家族に縛られ続けるかというと、それは「考え方」のせいではありません。「身体の反応」なのです。

だからこそ、「頭ではわかっているのに、親のことで反応してしまう」という状態にとどまり続けるのです。

それがあなたのせいではないと知ることが重要です。

そして、なぜその反応が起きているのかを理解すること。

そこから、自分の人生を取り戻す一歩が始まります。

この身体の反応は、無理に変えようとするほど強くなります。

まずは、

「なぜこうなっているのか」

を理解することが、変化の出発点になります。

あなたの家族・親との関係の深い悩みに対して、ご相談に応じます。

「頭ではわかっているのに変えられない」
「同じところで繰り返し苦しんでしまう」

そうした状態に対して、身体レベルからアプローチするセラピーを行っています。

心理セラピーご案内ページ

https://pm-counseling.com/contactus

あなたが自分の人生を取り戻していく、その一歩に関われたらと思っています。

心理セラピスト
わたなべいさお

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