人から愛されるのを避ける人がいます。
恋人から愛されることを求められたり、親密な関係になることを嫌がる人がいます。
その人は、ひょっとして回避型の人なのかも知れません。
回避型の「避ける」とは、愛されることを避ける、親密さを避けるという意味なのです。
回避型の人は、親密な関係になることを嫌がりますので、恋人との距離を置こうとします。
恋人から強く求められると、しんどくなるからです。
あまりにもしんどいので、距離を置こうとします。つまり、LINEで既読・未読スルーを突然したり、デートの誘いをしなくなったりするのです。
回避型の人は他人に優しくすることが得意です。ですから回避型の人は、よくモテます。しかし、親密な関係を避ける傾向があるので、恋愛関係が長続きしないのです。
他人に優しくできる回避型の人は、他人から好意をもたれます。そして恋愛が始まります。しかし親密な関係を避けるがゆえに、ふたりの関係はぎくしゃくしてしまいがちです。
私自身も親密な関係になると、苦しくなりました。
では、これから「回避型愛着スタイルの男性と、その恋人の女性」との関係について解説しましょう。
よりを戻す、また距離を置く・・・というサイクル
恋愛回避型の男性に魅了された女性はたいてい、「この人なら上手くいきそう。だって優しいから」と思います。そして、恋に落ちます。
優しい彼氏と一緒にいるのは楽しい。なので「もっと私を愛して。優しくして」と強く求めます。
しかし、「もっと愛して、優しくして」という彼女の期待に応え続けることができず、彼氏は次第に彼女から距離を置こうとします。
彼氏から距離を置かれたことで「どうしたんだろう?」と思った彼女は、不安にかられながらLINEメールを送り続けます。
「どうしたの? 私を見捨てるの?」「もうお別れなの?」
けれど、彼氏から返事はありません。デートの誘いも減りました。
彼氏に態度から終わりの予感に苦しめられる彼女は「もっと、私を大切にしてよね」と、愛されることを求めました。すると、彼氏はますます逃げたくなるのです。
彼氏の態度の異変に気づいて、彼女はパニックに。「どうせ私のことなんかどうでもいいんでしょ!」と感情が大爆発しました。
すると、ますます彼氏は、彼女からのメールはおろか、電話にも出ないようになりました。よって、二人の関係は破綻寸前に至ります。
しかし、最終的に彼氏は、彼女の元に戻ってくるのです。
なぜなら回避型の人は、ひとり孤独になって悲しんでいる人を見逃すことができないからです。
しょんぼりしている彼女の様子に気づいた彼氏は、「ごめんね。寂しくさせてしまって」と彼女に優しくするのです。
彼氏が戻って来て、優しくされた彼女は、大喜び。ふたたび関係が復活しました。
しかし時間が経過すると、ふたたび彼女は、彼氏に愛されることを求めます。
今度こそ彼氏が私から離れないようにとばかりに「こうして、欲しい」「もっと優しくして」「もっと私を大切にして」と強く求めます。
そうなると彼氏は、彼女との距離感に苦しくなります。彼女の期待と要求を避けるかのように再び距離を置きます。ふたりの関係は悪化しました。
けれど、彼氏は悲しんでる彼女の元にもどってきて慰めるのです。
孤独で悲しげな人をほっとけず、慰めたい人だからです。
つまり、「恋愛回避型の男性と、その恋人の女性」の関係とは、よりを戻す、また距離を置くというサイクルが繰り返されるのです。
親密さを避ける理由とは?
ではどうして彼氏・・・回避型の人は親密な関係を避けるのでしょうか?
黙って彼女から距離を置くのでしょうか?
その理由は、幼少期の親子関係に深く根ざしているのです。
回避型の人が子どもだった頃、お母さんは悲しみの中で過ごしていました。
感情が不安定で悲しみに浸る母親を慰めることで、彼は母親からの愛を得ようとしました。
そしてまた、母親も子どもから優しくされるのを期待しました。だから回避型の人は、優しくするのが得意になったのです。
孤独で悲しみにひたる母親は、子どもから優しくされるのを喜びました。なので、子どもに頼り切るようになりました。
つまり、子ども時代の彼氏は、母からの期待と要求に応えるために一生懸命だったのです。
そんな子ども時代であっても「僕は、自由にやりたい」と、たまには母親に主張しました。
すると「そんなふうに言い返されると、お母さんは悲しい」「どうしてお母さんの言うことが聞けないの?」「もう、勝手にしなさい!」といった具合に受け入れてもらえなかったのです。
こうした経験から、子どもは「自分の言い分は受け入れてもらえない」「自己主張しても無駄だ」と信じ込んだのです。
自己主張は受け入れられないという考えは、大人になって持ち越されました。
なので、大人になって恋愛をしても彼女に主張できないのです。むしろ黙って立ち去るのです。
あまつさえ、彼女からべたっと依存されると息苦しくなるのです。
彼女から期待と要求をされることで「自分は束縛されて自由でなくなる」と感じている時、彼氏は幼少期の母親との関係に無意識のうちに影響を受けているのです。
「恋愛回避型愛着スタイルの人は、愛情表現が苦手だ」といわれるのは、自己主張を受け入れてもらえなかった幼少期の体験に原因があるようです。
同棲・結婚への抵抗
他者との親密な関係を恐れる人は、結婚や同棲など、関係がさらに深まることを避けようとします。
「親密になると束縛され、自由を失う」と信じているため、結婚に対して強い抵抗感を抱きます。これは、幼少期に経験した母親との関係が影響しているためです。
あなたが「愛されることを激しく求める」ならば
もしも、あなたが「愛されることを激しく求める」人であるならば、そして彼氏が回避型の人であるならば、ふたりの関係は非常に不安定になるでしょう。
「愛を激しく求める人」と「愛されることを避けて、距離を置こうとする人」が恋愛をすれば、関係は不安定になるでしょう。
ふたりの関係は整合せず、困難がともないます。
整合をとるためには、両者が自分自身の課題と向き合い、話し合いを重ねる必要があります。
「愛されることを渇望する人」「親密さを避ける人」・・・おたがい距離感にとても敏感だといえるでしょう。
ですから、おたがいが「ほどよい距離」で恋愛を育てる必要があるでしょう。
おたがいが自分自身のニーズを相手に伝えて、ときには冷静に話し合うことで、ふたりの関係は安定するでしょう。
おすすめ出来ないのが分析をすることです。
ふたりの関係や相手の方を深く分析すればするほど、悩みが深まるからです。
分析することで問題点ばかりが目に付いて、ますます身動きが取れなくなるのです。
よって、恋愛など人間関係の悩みに分析は禁物です。分析よりも行動です。ふたりがお互いを認め合って、話し合うことの方が、ずっと上手くいくでしょう。
私自身、彼女との関係において、回避型でした。なので、冷静に落ち着いて、対等な関係で話し合うことは、大切だと思うのです。
もし、恋人に見捨てられることへの怖れ、不安感があるゆえに、恋愛が上手くいかないとお感じでしたら、次のページがお役に立ちます。
心理セラピスト
わたなべいさお
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