アダルトチルドレンの克服が難しい理由とは?

あなたは、アダルトチルドレンを克服するために、本を読んだり、ワークやカウンセリングを受けてこられましたか?

しかし、どうでしょうか?

すっきり解決できましたか?

もし、あなたが何をやってもアダルトとルドレンが克服できないならば、それには理由が4つあります。

  1. 「アドバイスでは克服できないから」
  2. 「感情の処理のワークばかりやっているから」
  3. 「過去の出来事ばかり振り返っているから」
  4. 「自分ひとりでやろうとしているから」

このように「解決方法」によって、アダルトチルドレンの克服は困難になるのです。

では、4つの理由について説明をしていきましょう。

アドバイスでは克服できない

アダルトチルドレンの悩みにこたえる本がありますよね。

そのような本には、こんなアドバイスが書かれていませんか?

「あなたは親を愛していたんですよ」

「これからは自分を大事にして生きましょう」

「お母さんを守るために頑張ってきたんですよね?」

「親の事情を理解しましょう」

「生きるためには仕方がなかったのです」

「あなたは両親を選んで生まれてきたんですよ」

「それでも親はあなたを愛していたのですよ」

「親から干渉されても無視しましょう」

「過干渉の親をスルーする力を身につけましょう」

「考えすぎてはいけません」

「毒親が悪いのです」

「やりたいことをやりましょう」

「人生を楽しみましょう」

「苦しいのは、あなただけではありません」

「親と離れましょう」

「親と対決して絶縁しましょう」etc

これらのアドバイスのよって、あなたの悩みはすっきり解消されましたか?

むしろ「そうは言ってもな・・・」「それが出来ないから、悩んでいるんだよ」って思いませんでしたか?

もし、そう思われたなら、当然だと思います。

アドバイスというのは、たいていこんな形をしています。

あなたは〇〇〇だと考えているけど、それは適切ではない。

だから適切な考え方・行動をしましょう

つまり、アドバイスはあなたに「もっとこうしましょう!」と期待と要求をしてくるのです。

しかし、どうでしょうか?

こうした期待と要求って、しんどくないですか?

「もっと、こうあるべきです」「もっと、こうしましょう」

「そうじゃなくて、このように考えましょう」

といった具合に詰め寄られるのは、しんどさを感じませんか?

しんどさを感じて、プレッシャーすら覚えるならば、それは無理もないことです。

今までずっと思い悩んできた人ほど、「私は、もっとこうあるべきだ」と、自分に期待と要求をしてきたはずです。

それに加えてアドバイスが、さらに期待と要求をしてくるのです。「あなたは、もっとこうあるべきだ」といった具合に。

そしてさらに、私たちアダルトチルドレンは親から「もっと、あなたはこうあるべきだ」「そんなあなたは認められない」と、期待と要求を押し付けられてきたのではありませんか?

つまり私たちアダルトルドレンは自分自身に対して期待と要求を突き付けてきたのです。

子どもの頃からずっと「それじゃダメだ」「こうしなさい」と、親から期待と要求を突き付けてこられたのです。

それゆえに、私たちはしんどいし、苦しいのではないでしょうか?

そこへさして「そんなあなたではなくて、こうしたら良いのでは?」とアドバイスはあなたに言ってくるのです。

当然、「そんなアドバイスされても、何もならないよ」となるはずです。だって今まで、私たちは自分自身を変えようと努力を積み重ねてきたのですから。

そこへさらに、「こうなりましょう」とアドバイスされても、「もう、しんどいよ」ってなるのも無理ありません。

もう分かり切ったアドバイスをされても、「それが出来ないから苦しいんだよ」と思うのも仕方がありません。

ことほどさように、アドバイスは無効なのです。

むしろ自分自身への期待と要求から解き放たれる必要があるのではないでしょうか?

期待と要求・・・自分にするにも、他人からされるのも、限界があると思うからです。

もう私たちはすでに頑張ってきたのです。

ですから、「こうしましょう」と言いつのるアドバイスに疲れたら、それは自然なことです。

期待と要求をさらに突きつけるアドバイスは、アダルトチルドレンに深く悩む方には役に立たないばかりか、余計にプレッシャーを与えて苦しみをもたらすのです。

感情の処理ばかりやると悩みが悪化する

アダルトチルドレンに悩む方向けのカウンセリングやセミナーというものがあります。

そこでよくやられているのが、「心の奥底に押し込めた感情」を言葉にして吐き出すワークです。

しかし、そういったワークは、おすすめできないのです。

なぜなら心の奥底に抑圧してきた感情を吐き出しても、キリがないからです。

つまり「怒りが止まらなくなった」「いつも悲しい」「自己憐憫に浸っている」と、辛い感情にいつまでも浸ってしまうのです。

過去の抑え込んだ感情は、出しても出しても、どんどん出てきます。

感情というのは消えて無くならないからです。

ですから、感情の処理のワークばかりやると「親への怒りが止まらない」などと、かえって苦しい感情から抜け出せなくなるのです。

そしてアダルトチルドレンの克服も難しくなるのです。

過去の出来事ばかり振り返っていると「過去に支配される」

過去の喪失を嘆く「悲嘆のプロセス」というワークがあります。

子ども時代に「親にもっと大切にされたかった」「親に愛されたかった」など、そうした過去の喪失を認めて、しっかり悲しむのです。

アダルトチルドレンの深い悲しみを乗り越えるプロセスに、「しっかり悲しむ段階」が必要なのは、私も同意します。

しかしながら、問題もあるのです。

過去の喪失を悲しみ、嘆くばかりで、前に進めず「いつまでやっても終わらない」と、疑問に思う方は多いのです。

アダルトチルドレンを克服するために、過去を振り返ってばかりだと、「過去が現在の自分を支配する」ことになります。

よくあるアダルトチルドレンの克服方法に「過去の悲しい記憶を思い出して、その時の感情を認める」というのがあります。

しかし、くりかえして過去の出来事を思い出すと、「現在の苦しみの原因は過去にある」という考えは強化されるでしょう。

そしてさらに「親にこんなことをされた!」「どうして親は私を大切にしなかったのか!」と過去における親の態度を責める気持ちが高まれば、恨みの感情が自分を苦しめます。

ことほどさように、「感情を掘り下げる」「過去の出来事をふりかえる」という克服の方法によって、アダルトチルドレンの苦悩が悪化した人は少なくないのです。

では、どうすれば良いのでしょうか?

まずは「感情を掘り下げない」「過去を振り返らない」ことです。

過去や感情を掘り下げなくても、アダルトチルドレンは克服できるのですから。

誰にも頼らず自分ひとりで克服するのはやめましょう

誰にも頼らず、本を読んだりして、自分ひとりでアダルトチルドレンを克服するのは困難をともないます。

その理由は2つあります。

まずは、誰にも頼らずに自分で頑張ると、悩みを自分ひとりで背負い込まなければいけません。これが苦しいのです。

自分と家族との関係を分析してみると、いかに自分が「家族や親から良くない影響を受けてきたか」を思い知らされます。

そして「どうして自分は、こんな親の元で産まれたんだ」と、悲しくなるでしょう。

そして、その悲しみを自分ひとりで解決しなければいけません。

親が悪いんだって分かったところで、もう今さらどうすることも出来ません。

ただただ悲しくて、苦しくて、怒りばかりが感じられます。

しかし、そのような苦悩を、自分ひとりで乗り越えるのは難しいです。

信頼できる友人に悩みを打ち明けることは出来るかも知れません。

けれど、親子関係のすべてを打ち明けるわけにもいきません。

友人は自分の話を、いつも常に聴いてはくれないでしょう。

つまり自分の悩みのすべてを受け止めてくれる相手は、なかなか見つけにくいものです。

よって、苦しさを心に押し込めてしまう……。

つまり友人の手を借りることが出来てもアダルトチルドレンの苦悩を、自力でなんとかするのは限界があるのです。

理由の2つめです。

人間には必ず盲点があります。

自分では気づけないことがあります。

これが悩みの原因だと思っていたけど、実はそうではなかった、ということはよくあります。

私のセラピーでも相談者の方は、このように言われます。

「私の悩みの本当の原因がやっとわかりました。」

そうか。だから私は悩んでいたんだって、ようやくわかりました」

しかし、本を読んだりして、誰にも頼らないでアダルトチルドレンを克服しようとすると「本当の悩みの原因」に気づけないことが多いのです。

つまり、誰にも頼らず克服しようとすると、いつまでも心がモヤモヤしてしまうことになります。

誰かに助けを求めることができないアダルトチルドレンの方は多いです。

そうではなくて、プロのセラピストの手助けを借りることを私はおすすめします。

では、具体的にカウンセリングではどうやって克服を進めていくか、については次のページをご覧ください。

機能不全家族をサバイブした人が抱える不安感のサイズを小さくする。
家族問題で悩んでいる方へのカウンセリングを実施しています。機能不全家族における悩みをひとりで抱えないで、ぜひカウンセラーにご相談ください。親子・兄弟姉妹・嫁姑・親戚との関係に悩む方にとって、誰かに苦しみを打ち明けることは解決のための一歩です。どうか孤独のなかで深刻にならないでください。

米国催眠士協会認定ヒプノセラピスト

わたなべいさお

 

コメント